神経質礼賛 1803.「富野由悠季の世界」展
静岡県立美術館で9月から富野由悠季の世界と題する展示が行われていて終了間近である。母が入院している病院が同じ沿線上にあるので、洗濯物を交換したついでに行ってみることにした。美術館前の駅からは坂を上っていく。この通りに沿って洒落たレストランや喫茶店があったのが、いつの間にか閉店してしまったところが多くて残念である。美術館敷地の入口まで歩くと紅葉がきれいだ。そこからまた坂を上っていく。
普段の絵画などの展示の時とは明らかに客層が違う。見たところ四十代前後の男性が最も多そうな感じだ。それもそのはず、富野由悠季はアニメ「機動戦士ガンダム」の原作者で、その後も長らくガンダムシリーズの続編を制作し続けてきた。セル原画やイラストや脚本やキャラクターデザインなどが展示され、所々でアニメも流れている。それを食い入るように見ている人もいる。
私はガンダムはほとんど見ていない。ガンダムの次に作られた「伝説巨神イデオン」は見ていた。これも展示があった。異文明同士のエゴがぶつかり合い共存できない様は、人種や宗教や政治体制の違いによって分断された現代社会を反映しているようにも思える。最後は皆が死んで滅びていくというのもいろいろ考えさせられる。富野由悠季制作のアニメは辛口だ。私が子供の頃に見た、主人公が巨大ロボットを操作して悪人をやっつけるという勧善懲悪のアニメとは違い単純なものではない。20分ほどで見終わり、常設のロダン館を一周して帰る。
この日は電車に乗っている時、歩いている時、美術館にいる時、何度も病院の相談員さんからケータイに電話が入った。ようやく退院日が決まり、現在病院で借りているのと同じタイプの歩行器を購入することになった。電車に乗っている時や美術館では電話に出られないので気を遣う。自分から他人のケータイに電話するのも相手が出にくい状況かもしれないので、神経質としては気になってあまりかけたくないところである。
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