神経質礼賛 1817.木星・土星 超大接近
今、日が沈んだ後、西の空にひときわ明るく光っているのが木星である。その後を追うようにもう一つ見えるのが土星だ。昨日、仕事を終えて帰宅してすぐにそのままの服で双眼鏡を持って屋上に上がる。西のビル群の少し上に木星が見え、すぐそばに土星が見えた。よくある8倍の双眼鏡で木星を中心に持ってくると土星は視野の半径4分の1位にまで近づいている。つい数日前は視野の半径の半分以上離れていたからだいぶ近づいてきた。明日12月21日からあさって22日にかけて角度にして0.1度(満月の直径の約4分の1)の最接近とのことだ。
もちろん、実際に接近しているわけではなく、地球から見て同じ方向に見えるだけのことだ。木星の公転周期は約12年、土星は約30年だから、ほぼ20年ごとに接近して見えることになる。しかし、厳密にはどちらも楕円軌道であり、両者の軌道はわずかに傾いており、中心の太陽ではなく地球から観測しているといった条件により、接近の程度は変化する。今回は397年ぶりの大接近なのだそうだ。これほどの大接近は次は60年後の2080年だというから珍しい現象と言えよう。
流星群の観察のように暗い場所を選び十分に目を慣らしてから見なくても、街中でも短時間に簡単に観察できる。あまり天文に興味のない方も一見の価値があるからオススメである。毎日、息の詰まる生活だけれどもちょっと目先を変えればこんなこともあるのだ。たまには広い宇宙に思いを馳せてみよう。
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