神経質礼賛 1825.ひび・あかぎれ
1月に入って寒い日が続いている。外来部門のある管理棟から病棟への通路は風が吹きっ晒しなので白衣1枚ではたまったものではない。特に当直中、夜中や明け方に病棟に行く時には震え上がる。そこで目立たない薄いグレーのベストを購入して白衣の下に着るようにしている。もっとも寒いとはいっても北国・雪国の皆様の御苦労に比べたら全く大したことではない。道路上に車が1日以上も立往生とか、雪下ろし中の転落事故とかいうようなニュースを見ると本当に大変だなあと思う。
今年は手足のひび・あかぎれがひどい。寒くなって空気が乾燥していることや加齢に伴う老人肌化によるだろうが、例年と違い、感染症対策のため手洗いや消毒の回数が増えたことが最大の原因だと思う。強迫性障害の不潔恐怖のために頻回に長時間の手洗いをしている人に見かけたようなことが自分にも起こっているのである。皮膚表面のバリアが損傷してひび・あかぎれができてしまうのだ。感染症対策のためのチェックリストを月1回、病院のパソコンに各自入力することになっていて感染症対策の責任者がチェックしている。その中には(主として看護師さんや看護助手さんのように直接患者さんに触れる人向けの設問と思われるが)パソコンのキーを消毒するとか腕時計をしないようにするとか鍵は何度も消毒するとか手洗いは肘まで洗うとかいったものもあって、一つ間違うと不潔恐怖レベルであり、私は十分に達成できていない。不合格である。その場その場に適合する程度の対策はしているつもりだけれども。
手洗いの後に保湿クリームをこまめに塗れば効果がありそうだけれども、感染症対策上それはまずいし、第一そんなことをやっている暇はない。夜、風呂を出て寝る前に手指と足の踵にオロナイン軟膏を擦り込むのがやっとである。当分はこれで辛抱だ。
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四分先生お疲れ様です。ひびわれのお話が出ましたので経験談を申し上げます。
郵便配達の仕事を続けておりますが、過去3年間、冬になりますと手指がずたずたにやられておりました。はがきなどはくっついてしまうので、手袋での投函はできず、つねに寒風にさらされ、また異様に硬いポストの鉄蓋を繰り返し押し開けるので爪も指先も傷だらけでした。
ところが今季は、たまたま思いついたワセリン(白色ワセリン・第3類医薬品)を毎朝、出勤前に手指にすり込むだけで、年来のひび・あかぎれから解放されております。
匂いやべたつきも全く気になりません。以前は市販のクリームなども試しましたが全く効果がありませんでしたので、ワセリン様様です。
それでは時節柄、くれぐれもご自愛のほどお願い申します( `ー´)ノ
投稿: たらふく | 2021年1月17日 (日) 22時53分
たらふく 様
貴重な御体験談、ありがとうございます。たらふく様の御苦労は私の比ではありませんね。どうぞ御自愛ください。
白色ワセリン(プロペト)は高齢の患者さんには多用しています。軟膏の基材で、特に薬理作用があるわけではないのですが、重度の乾燥肌(角化症)・化膿していない擦り傷・軽度の褥瘡などに非常に効果があります。普通は夜の風呂上りに塗ることを考えますが、朝の出勤前に塗布するという御工夫が奏功しているのかもしれませんね。私も今の対応でうまくいかなければ試してみようと思います。ありがとうございました。
投稿: 四分休符 | 2021年1月18日 (月) 22時55分