神経質礼賛 1833.初めてのオンライン飲み会
医大の同期生、富士市内で内科医院を開業しているMさんから「オンライン懇話会をしませんか」というメールをもらった。オンライン飲み会のお誘いである。Mさんは私よりも一つ年上。私と同様、理工系の大学を卒業して会社員として働いてから入学してきた。学生時代からよく飲み会を企画してくれていた人だ。浜松市内の病院で院長をしているYさん、浜松市内で内科医院を開業しているNさんの4人で行うことになった。Yさんは私より3つ年上。関西一の有名高校を卒業し、東大理科Ⅲ類(医学科)を何度か受験して失敗した後、アメリカの大学で生物学を学んでから医大に入り直している。すでに入学した時には額が大きく後退しており、教授よりも貫禄があった。高校で生物を履修しなかった私はずいぶんYさんにいろいろ教えてもらったものだ。一般の人を交えた映画サークルを作って名画の自主上映をしていた。音楽関連のマイナーな映画を私も見せてもらっていた。Nさんは私より2つ年上。入学式にスーツにネクタイではなく朝日新聞奨学生のジャージを着て黒長靴を履いて自転車で現れた超大物である。浜松の工業高校から大学農学部を卒業し、東大大学院博士課程を中退して入学してきた人で「俺は奨学金の借金が1000万ある」と豪語していた。学生番号が私と並びなので、実習などでは6年間同じグループになることが多かった。この人もやはり額が後退していて、教授のような風貌だった。よくもこれだけ個性的な人たちが集まってきたものだ。医学部では試験や口頭試問が多く、私たち年齢がいってから再入学した者は記憶力が落ちているから苦労した。お互いに助け合って勉強会をやったりして、何とか卒業して国家試験にも合格できた。若い頃はお互いの結婚式に出たりしていたが、その後はなかなか集まれることも少なくなっていた。たまたま新型コロナの影響で昨年から学会や種々の講習会がオンライン形式になってZOOMというソフトを使うようになっていたので、それではZOOMで飲み会をということになったのである。予定の時刻にMさんから招待のメールが届き、アドレスをクリックするとZOOMソフトが起動され、懐かしい顔が並んで表示された。近況を報告し合う。昔話にも花が咲いた。
遠くにいて普段なかなか会えない仲間がオンラインで顔を見ながら話せるのはありがたい。集まるための移動や宿泊は不要なのは大きなメリットだ。飲み物や食べ物も自分で好きな物を用意しておけばいい。ただ、同じ場の空気を共有する一体感はどうしても薄くなる。話すタイミングもコツがいる。4-5人ならばまだいいけれども10人を超えるとやりにくいのではないかとも思った。今度開催する時は同学年最年長、私より4つ上のGさんにも参加してもらおうということになった。Gさんは元べトナム難民。渡日して苦学して、病院の検査技師として働いてから医大に入ってきた人で、今はリハビリ病院の院長をしている。そして、新型コロナが収まったら改めてみんなで集まろうということで、2時間のオンライン飲み会を終えた。
« 神経質礼賛 1832.ムーミン展 | トップページ | 神経質礼賛 1834.安宅(あたか) »
コメント