神経質礼賛 1838.まず捨てた方がよい物
母が有料老人ホームに入って3か月になる。新型コロナ対策のため面会はできない。ライフリーの紙パンツ1袋と紙パンツ用尿パッド2袋を3週間に一度届けに行き、玄関で職員さんに渡している。たまたまその時に入口の近くのデイルームにいると職員さんが母に教えてくれて、窓越しに手を振ることになる。
今まで母がいた小さな家は空き家になってしまった。それでも週2回は行って郵便物をチェックし掃除機をかけている。残っていた保存食も少しずつ消費して処分している。母は物が捨てられない人で、何でも「使えるからもったいない」「そのうち使う」と称してためこむ癖があった。広い旧実家はゴミ屋敷にしていた。この家に移ってからもまた同じことが起きた。段ボールの空き箱を捨てようとすると、「荷物を送る時に使うから捨てないで」と言われた。包装紙やビニール袋や紙紐も同様である。郵便局で干支の人形や置物をもらったのが大量にある。街頭でもらったポケットティッシュもまだ残っている。ウエットティッシュは年を経て干からびている。食品が入っていたトレイや容器も洗って取ってある。物が足りない時代を生きた人だからわからないでもないし、物を大切に使い物の価値を最大限引き出す「物の性を尽くす」(350話)という森田の考えもあるのだが、現代の生活では上手に捨てて狭い住空間を最大限生かすという観点も必要なのである。そうした物は少しずつ捨てていっている。しかし大物がある。着物と茶道具である。父が亡くなってからというもの、ずいぶんそれらにお金を費やしていた。本人にとってはお宝だが、客観的には燃えるゴミと燃えないゴミでしかない。これらは本人が生きている間は処分するわけにもいかないので当分はそのままにしておくしかない。
やはり、粗品は粗品に過ぎない。実用品は使い切って処分し、飾り物は収納場所に困るから、すぐに捨てるに限る。試供品もそのうち使うかなと思っても意外と使わないものである。小さな歯みがきなど旅行に便利かなと思うが使わずに残ってしまう。女性の場合化粧品サンプルがたまってしまうようなこともあるだろう。冷蔵庫の中も、使わなかったソースやからしやスープ類は取っておいても出番がない。賞味期限も書いてないから古いものがそのまま残ってしまいやすい。これらまず捨てた方がよいものを処分するとだいぶスッキリするものである。
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私はお母様と先生の間だと思いました。
ポケットティッシュはスーパーで買うボックスティッシュのところに置いておいて、優先して使っています。ケチなんだろうな、私。
決して捨てない方がよいという意図ではありませんが、着物のリメイクが流行っていて、NHKの番組を見ていると、いろいろな風に生まれ変わります。
投稿: 夏子 | 2021年2月22日 (月) 17時43分
夏子 様
コメントいただきありがとうございます。
ポケットティッシュをボックスティッシュの横に置いて優先して使い切るというのは最高に合理的です。そのうち外出用に使おう、と取っておくとたまってしまうのです。御立派です。
投稿: 四分休符 | 2021年2月22日 (月) 21時58分
四分休符先生
う~ん、私から致しますと垂涎物です。着物と茶道具。先生と近しい関係でしたらお譲り願いたい所です。私は着物を茶道でも普段でも着ます。茶道具に関しては近年母と「ホッとタイム」と称して私が薄茶を点ててゆっくりとした時間を共有しています。お茶碗は欲しいですね~いずれは茶道歴が長かった夫ともホッとタイムを作りたいとも想います。 まずは処分とは!!です。
ポケットティッシュに関しては我が家には段ボール箱いっぱい有りますが、これはこれでポケットティッシュ専用陶器の入れ物に入れてテーブルに置いて場所取りはしませんからこれはこれで重宝して消化しています。
サンプル品。化粧品系でしたら、どうぞ奥様に使って頂いて下さいませ。表示成分で気になる物があれば、これは致し方無く処分です。
更に歯ブラシ等々は使い勝手や味など合わない事も多いです。歯ブラシは掃除に使えるかもしれません。歯磨き粉に関しては処分が相当と私は考えます。
必要としている人も居る、そこを考慮して下さいませ。呉服・茶道具関係では専門の引き取り業者がいます。二束三文で引き取られる事を覚悟でお出しになれば、必要とする人に行き渡る筈です。
処分の前に方法を考えて下さいませ。
先生にもあと5年もしましたらコーヒーやお茶で一服すると同じようにお薄やたまには濃茶の旨みを心豊かにゆったりと奥様と、ご家族と楽しめる時間が取れる時期が来るやもしれません。その事も加味して下さい。
夏子さまの言われるようにリサイクルされる方もいらっしゃいます。
先生には一見必要無き物と思える物でも方法がいろいろ有る事をお伝えしたかったのです。そうして整理してまいりますと、本当に処分する対象はグッと少なくなると、私には思えるのです。
あ~、それにしても、私にはうらやましい!それ以外の何ものでもありません。お母上様のお品を大切になさって下さいませ。
そして、もしそれらをどのようにされたか差し支えなければいつの日かアップして頂けると嬉しいな、と思う私です。
投稿: yukimiya | 2021年2月25日 (木) 08時37分
yukimiya 様
コメント(御忠告)いただきありがとうございます。
親が持っている茶道具を持て余して困っているという話はチラホラ聞きます。業者に二束三文で引き取ってもらって、それがどこかで生きればそれもいいかな、とも思います。学校の茶道部あたりで使ってもらえるのならば喜んで寄付したいところです。まだ当分はそのままにしておくつもりですので、私が仕事を引退して暇になった時に、全くの自己流でお茶を点てて愉しむのも選択肢になるかもしれません(笑)。
高価な着物と言っても長年にわたり全くメンテナンスされていませんので、これはどうにもならないと考えています。まあ、本人が楽しめたのだったらもうそれでよし、です。趣味の物はそんなものではないでしょうか。私の楽器や楽譜も同様です。本人が愉しんでなんぼといったところでしょう。
投稿: 四分休符 | 2021年2月25日 (木) 21時33分