神経質礼賛 1840.体温の左右差の謎
昨年の秋から健康管理・行動記録表に毎日記載することを求められている。その日の体温・呼吸器症状・飲食などでマスク未着用の時間と場所・病院以外の外出場所と時間を記録するようになっている。別に、回収することはないけれども、もし自分を含めて院内で新型コロナ感染が発生して場合には必要になるのだ。この紙は1枚で半月分書けるようになっている。もうだいぶたまった。また、体温は朝夕2回測って医局の出勤簿に書くことになっている。最初は面倒だと思っていたけれどもすっかり慣れた。医局には体温計とアルコール綿が置いてある。私は自分専用の体温計をバッグに入れて持ち歩いている。最後に測った体温の記録が残っているから、忘れていても確認できる。
体温計も正しく使わないと正確には測定できない。測定場所により数値が変わってきてしまう。多くの人は脇で測っていることと思う。私も左脇で測る。左と右とでは差がある。心臓に近く太い血管からの血流が多い左の方が高く、右が低くなりやすいという。試しに両方測ってみると右の方が0.4℃低かった。だから、左で測ったり右で測ったりするのは好ましくない。また、体温計の角度も先端が脇の深いところに当たるように、表示部が水平より少し下になるようにするのが良いようである。
昨日、病棟で自分が受け持っている患者さんたちの報告を受けた後、看護師さんから「先生の患者さんじゃないけれど、体温の左右差が大きい人がいるんです。左が36.8℃で右が38.1℃。38℃以上の時に服用させる薬をどうしましょうか」と質問された。これだけ差が出る、それも右が高いというのは考えにくい。衣類や寝具や日当たりや暖房など部屋の環境もあるかもしれないし、たまたま測った場所の近くの部位で何か炎症を起こしているのだろうか。二度測ったけれども同様の差が出ていて、無接触の体温計を使って額で図ると、左で測ったのに近い、とのことなので、「とりあえずは与薬せずに経過を見て下さい」と告げる。体温の左右差が出る原因についてはこれからも考えていきたい。
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