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2021年6月13日 (日)

神経質礼賛 1875.精神科あるある?

 形外会の記録には森田正馬先生のお弟子さんたちの発言も収録されている。森田先生最後の直弟子で秀才タイプの竹山恒寿先生が自分の失敗談を語る場面がある。

竹山先生 僕などには勿論、失敗談はいくらでもありますが、大学の病院で、その日は非常に忙しかったのであわてていましたけども、付添人を患者と間違えてしまった事があります。
 自分のまえには、患者の座る椅子と、その脇に、付添人の座る椅子とが備えてあります。そのとき、付添人が患者の座る椅子についていましたので、私はツイなんの気なしに、それを患者のつもりで、いろいろ問診をし、そのうえ御苦労様にも脈まで取りにかかりかしたが、話の具合でこれは変だと気が付いた時は、よほどきまりの悪いものでした。(白揚社:森田正馬全集 第5巻p.622)

 連れてこられた患者さんがほとんど話をしないということは精神科ではしばしばあることだ。私にも似たような失敗はある。だから、初診の場合や担当医が不在で代診する場合には、必ず、「〇〇さんですね」「〇〇さんのお母様ですか」などと本人と付添人の確認をしてから診察に入ることにしている。これが病棟だと困ったことに呼び出した患者さんではない人が「はーい」と返事して勝手に診察室に入って来ることがあるから注意が必要である。外来で順番の患者さんを何度も呼んでも入って来ないことがある。トイレに入っているとか勝手に外出してしまうといった場合である。また、強迫の人は何をするにも時間がかかって、入室まで非常に時間がかかることがある。診なければならない患者さんが多い日には気がもめる。また、連れてこられた「患者」さんがまともで、付添の家族がみな精神不安定でおかしい、ということもある。これらは「精神科あるある」かも知れない。

 もう30年近く前のことだが、私が大学病院で研修していた時、妄想のため、家中の物を壊したり傷つけたりしているという入院患者さんの治療を病棟医長の先生から任された。しかし、御本人には少しもおかしなところはない。そこで、奥さんに本人が壊したり傷つけたりした所を確認したいので写真を撮って来るようにお願いした。妻が持って来た数十枚の写真には黒マジックで「ここをやってある」「ここもやってある」と書き込まれているが、どこも何ともなっていない。結局、奥さんが妄想性障害であることが判明し、本人には退院していただいた。これなど、「あるある」では済まされない。

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