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2021年6月 5日 (土)

神経質礼賛 1872.名探偵ポワロ

 最近、土曜日の夕方、NHKのBSプレミアムでアガサ・クリスティ原作「名探偵ポワロ」のハイビジョンリマスター版が放送されているので、ビデオに録っておき、仕事から帰ってから見ている。ポワロを演じる俳優スージェは原作を徹底的に研究したとのことで、体型から歩き方や仕草まで原作通りのポワロに見事になりきっている。私が一番好きな探偵シャーロック・ホームズ(485話)とはタイプが全く異なる。並外れた観察眼と「灰色の脳細胞」による鋭い推理力はホームズ同様であるが、美食家でお洒落で社交的であり、体型は肥満型。ステッキを片手に歩く姿はちょっとユーモラスでもある。精神科の教科書に出てくるクレッチマーの循環気質(躁鬱気質)にハマりそうである。やせ型で生真面な相棒のヘイステイングズ大尉は好対照だ。こういう副主人公がいると主人公が際立って見える。ホームズとワトスン博士と立場を逆にしたような関係である。おおらかな循環気質の人と神経質は相性が良く(270話)、名コンビを形成しやすい。テーマ曲もヴァイオリン演奏の緊迫感のあるホームズのものとは対照的にサックス演奏のちょっとトボケた感じであり、キャラクターにぴったり合っている。

 原作者のクリスティは母親の方針で普通の学校教育を受けることを許されなかった。そのため同年代の友人はいなかった。第一次世界大戦時には薬剤師の補助をして働き、薬の知識を得て、毒物にも詳しかった。数々の作品を出版社に送って不採用になりながらもめげずに書き続け、ついに作家デビューを果たす。そしてポワロやミス・マープルを主人公とした作品が人気を呼び、ミステリーの女王と呼ばれるようになる。最初の夫は浮気をしていることが発覚。クリスティ自身が謎の失踪事件を起こしてマスコミに騒がれたという。離婚後はオリエント急行で中東を一人旅して、ずっと年下の考古学者と知り合い再婚する。そうした経験もすべて小説の中に生かされている。困難の中を自分の力で道を切り開いてきた人のように思う。

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コメント

 私もここ一年くらいテレビを見るようになりました。やはりときどき録画して。それまではあまりテレビを見る習慣がありませんでしたが。テレビを見るっていいですね。夜、ごろんと横になってテレビを見ていると気分がラクになります。
 先生は、たしか「美の壺」をご覧になりますよね。私も好きな番組です。あとは「にほん百名山」「世界ふれあい街歩き」「新日本風土記」など。

 バッハの「コーヒーカンタータ」、今日初めて聴いたのですが、すてきな曲でした♪

夏子 様

 コメントいただきありがとうございます。

 県外に出かけることができない、イベントが開催されない、映画も見られない、外での飲み食いが制約されてしまっている昨今、テレビ番組は貴重な情報源・疑似体験の機会となっています。クラシック番組や美術や歴史関連の番組はよく見ます。受信料分は間違いなく回収できていると思います(笑)。
 コーヒーカンタータは実に楽しい曲です。コーヒーが好き過ぎる娘さんの歌。「コーヒー」を連呼しています。宗教曲を多数作曲しているJ.S.Bachの作とは思えないですね。

四分休符先生

 私は逆に最近テレビを見なくなりました。案外元々テレビ好きではないのかもしれませんが...私は同時に二つの事をするのが苦手です。新聞を読んでいる時に声を掛けられても容易に返事が出来ません。え!何を言ったの?です。クラシックを聴きながら本を読む、それもダメです。音楽なら音楽。本なら本。台所に立っていても音は消します。相手が居ますので強制は出来ませんが。

 で、テレビですが、ニュースの項目と天気予報は基本的に見ます。が、以前より情報番組は見ていないです。毎日似たような情報と数値。  医療現場は大変なのだ...と後ろめたさを感じつつ...

 元来本はあまり読まない方でしたが、本を読むようになりました。よい出会いもありました。もっぱら図書館派ですし、年齢的にもよそ様にはただの本に過ぎないものは手元に置きません。極まれにどうしても、という本に巡り会えたら購入です。

 そうそう、やはり見ていました。年末に1985年前後に放映されていた「シルクロード」の再放送です。今はこの作品より少しインパクトに欠けますが、「未来への遺産」シリーズ。つい先日最終回だった「映像の世紀」それにプラスα。相手と共通話題になるような作品を見る、です。

 おかしな事にクラシック漬けで終日音楽だった私。音楽も聴かなくなりました。考えてみたらその分、本を読んでいたのですね。又、少ない友人知人に手紙を書いている時間もあります。悪筆なのでパソコン文書です。新聞投稿も。結構掲載連絡を頂きます。謝礼の図書券は本好きの相手さんへのプレゼント。
 
 音も映像も独りの時は、まず無し。季節の移ろいを眺めながら過ごして居ます。それでもピアノの練習は!8月までにバッハ・トッカータなんとかせねば。プチ発表会です。そんなに技術的には難しく無い筈なのですが、私の技量では。年と共にバッハに傾倒しつつバッハに悩む。  あぁ、私のクライスレリアーナはどこへ?です。私のピアノ目標はクライスレリアーナせめて一曲だけでも弾けたら教室通いはやめます。

 駄文コメント失礼しました。

 

yukimiya 様

 コメントいただきありがとうございます。

 多方面で御活躍の御様子ですね。のんびりテレビを見るどころではなさそうですね。ピアノ発表会、御健闘を祈ります。

四分休符先生

 先生には多くの言葉が要らないですね。一を語れば、先生は十を理解される。

 はい、日々を充実させていきたいと思います。 今日からまた新たに放映される「映像の世紀」シリーズを楽しみにします。 たとえ勝者の歴史であったとしても編集されていたとしてもドキュメントから目をそらさず、俯瞰しつつ歴史から学び取る姿勢を持つ。

 倉嶋厚氏の本にありましたように、「見ていた」ものが「観えてくる」。かくありたいと思います。であったとしても、神経症は軽快のまま。上手くいかないものです...

yukimiya 様

 軽快して日常生活が流れていけばそれでよろしいのではないでしょうか。完全に症状を取り去ることはできませんし、不安常住・・・不安も次から次へと浮かんでは消えていきます。日常を充実しようという努力と工夫を続けておられれば、とても立派なことだと思います。

四分休符先生

 涙が出てくる思い。有り難くお言葉頂戴いたします。

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