神経質礼賛 1891.蕎麦屋で
毎週、勤務先の感染症対策委員会から生活上の注意事項や入院患者さんの面会・外出可否の規定が院内メールで送られてくる。新型コロナの感染状況により、住所地により面会・外出できるかどうかが細かく決められていて、これは激しく変化するから入院患者さんの御家族にも御不便をかけている。神経質過ぎると思われるかもしれないが、クラスター発生防止のためにはやむを得ない。職員も感染が流行している地域への行き来は禁止されているから、私も長いこと県外へは一歩も出ていない。会食は同居家族とだけに限られている。ここ1年、外食することがあるのは徒歩5分で行ける蕎麦屋だけだ。
江戸時代創業の名店ながら、昨今の情勢により店内の客は少なくなっている。電話注文しておいたテークアウトの蕎麦を持ち帰る人も見かける。仕事を終えて6時過ぎに入ったが、土曜日の夕刻だというのにテーブルを一つずつ空けて座ってもまだ席がある。店の外の新しい看板にあった「そばと肴盛り」セットを注文する。午後4時からの限定でかなりお得である。ワンプレートの肴盛りにメインの天ぷらと蕎麦、それに飲み物1本付けて税込み2100円。絶対にこれである。天ぷらは桜エビのかき揚げが美味しいのでそれを選択する。この暑さだから仕事帰りのビールは最高にうまい。一足先に店に来ていた妻はもとよりセットメニューは頼まない人で、気に入った一品を順次注文していく。アスパラの天ぷらに冷酒、焼鳥、最後にそばを注文する。この店はいつもクラシック音楽が流れていてとても居心地が良い。食べ終わってお勘定を済ませると、店主が挨拶に出てくる。いろいろ工夫をしているけれども、やはり客が減って経営が大変な様子だ。街中では居酒屋だけでなく食事処も閉店してしまったところが少なくない。よい店は何とか続いて欲しいものだ。
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