神経質礼賛 1901.糸引納豆禁
転院してきた患者さんの紹介状と看護サマリーを読んでいたら、食事の項目に「糸引納豆禁」と書かれている。内科疾患があって抗血栓療法のためワルファリン服用中の人だから納豆禁の指示はわかるけれども、あえて糸引納豆禁とまで書かなくてもよいのでは、という考えが浮かぶ。納豆や青汁やクロレラは血液凝固に重要な役割を果たすビタミンKを多く含んでいて、ワルファリンの効果を減弱させてしまうので、服用中の人はそれらは禁忌となっている。横にいた臨床検査技師さんが「甘納豆もあるからじゃないですか」と。うーん、そこまでは考えつかなった。確かに甘納豆はまず影響ないだろう。神経質ゆえ、それでは京都の大徳寺納豆や浜松の浜納豆はどうなんだろうか、どうでもいいことが気になる。病院食では甘納豆も大徳寺納豆も出ることはないだろうけれども。
ニプロ(株)がネット上に公開している患者さん用の「ワルファリン服薬手帳」には食品に含まれるビタミンKの量が記載されていて興味深い。100g中のビタミンKの量は、ひきわり納豆が930μgと最も高く、通常の納豆が600、寺納豆(大徳寺納豆など)は190とある。あの味噌の塊のような糸を引かない寺納豆はそれほど影響がないとわかる。緑野菜でも、パセリ850、しそ(生)690、モロヘイヤ(生)640、春菊(茹)460、バジル440と納豆並みに高いものがあるから、注意が必要である。なお、緑茶の茶葉には多量のビタミンKが含まれるがお茶として飲む浸出液には微量しか含まれないので問題ないようだ。
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