神経質礼賛 1915.ムクドリの大群
10月になっても最高気温が30℃に達する日があったが、昨日は薄い上着では肌寒い感じがした。仕事帰りに駅まで送ってもらうと、雨は上がっていて、駅前の木々の枝にはムクドリらしい鳥たちが止っている。ホームに上がり、いつものように25分ほど電車を待つ。暗くなり始めた空をぼんやり眺めていると、黒い点が集まって激しく動き始めた。駅前にいたムクドリたちが群れをなして飛び回り始めたのだろう。ざっと見てその数、軽く千羽は超えていそうだ。東へ西へと激しく動き回る。そのたびに輪が大きくなったり小さくなったりする。まるで大空に現れたモンスターのようだ。急旋回を繰り返していて、よく集団でまとまって動けるものだと感心する。これだけ多数で高速で飛び回っていたら、天敵の大きな鳥も体当たりされてダメージを受けそうだ。あるいは敵を寄せ付けないためのデモンストレーションなのかもしれない。
何でもない平凡な毎日のようだけれども、ちょっと周囲に注意を向ければこんな観察もできるのである。
かつては作物の害虫を食べてくれる益鳥として歓迎されていたムクドリは、今では駅前の街路樹や繁華街の電線に集まって、糞や羽を落として、鳴き声も相当なもので、すっかり嫌われ者になっている。各地でムクドリ追放作戦が行われている。スピーカーでムクドリが嫌う音を流して追い払う所が多く、中には鷹匠が鷹を飛ばせて追い払うというものもあった。浜松市では人がハンマーで街路樹を叩いて追い払うということをしていたらしい。人手がかかる上、効果は一時的である。昨年、強力なLED光を当てて追い払うという新兵器が登場し、より効果の高い光を研究中とのことだ。カラスのようにゴミを漁って散乱させるようなことはなく、食べ物は主に虫なのだから、駆除ではなく何とか共生できないものだろうかと思う。
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