神経質礼賛 1952.減塩しじみ汁対決
寒い時期は血圧が高くなりやすいので、気にしている方もいらっしゃるだろう。私は四十代後半から血圧が上がり始めた。減塩生活を心がけていたけれども、結局は降圧剤を飲むに至ってしまった(517話)。それでも、降圧剤は半錠のままで済んでいるのはやはり塩分に気を付けている効果だろうと思う。食品を買う時にはエネルギーが何カロリーであるか、塩分を何グラム含んでいるか見て確かめる習慣になっている。塩分がナトリウム量で表示されている時は頭の中で2.5倍して食塩量に換算している。
高血圧の治療ガイドラインでは1日の塩分摂取量を6g未満としていて、世界保健機関(WHO)では5gを上限としているけれども、これを達成することは非常に難しい。日本人の食塩摂取量は厚労省の調査によれば男性が1日11.0g、女性が9.3g程度である。カップ麺1個で5~6gというものも多く、外食やインスタント食品で済ませると簡単にオーバーしやすい。
私が時々買っているインスタント生みそタイプの「減塩しじみ汁」の2メーカーを比較する。8袋入って100円程度の商品だ。ハナマルキのものは平均的市販品に比べて30%減塩をうたっていて、1食1.4gである。それに対してマルコメのものは自社製品に比べて25%減塩をうたっていて、1食1.2gとこちらの方が少ない。袋に大きく書かれた30%という数字を見ると、一見ハナマルキが良さそうだが、実際にはマルコメの方が塩分が少ないのである。〇〇に比べてという部分は小さな字で書かれているから違いに気付く人は少ないだろう。それでは、マルコメ製を買えばいいではないか、ということになるが、簡単にそうはいかない。ハナマルキ製はワカメと小さなシジミ粒が確認できるがマルコメ製では固形物があまり見当たらないので、具なしの汁のような感じを受けてしまうのである。
イギリスでは、大がかりな減塩プロジェクトが行われ、食パンなどの塩分を5年間かけて少しずつ減らしていき、その結果、心血管障害による死亡率を下げることに成功している。医療費削減効果もある。当初はパン製造業者が強く反発したらしいが、少しずつの減塩に慣れた消費者からは苦情は出なかったという。日本でもそうした取り組みがあってもいいだろう。
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