神経質礼賛 1960.デジタルハラスメント
前話で何気なくデジタルハラスメントと書いてしまってから、果たしてそんな言葉があったかなと気になった。実際すでに使われていてデジハラという略語もあるようだ。具体的にはどのようなケースがあるかと言うと、ある調査によれば、職場では、勤務時間外の業務メール、SNSで友達申請の承認の強要、SNSの投稿へのコメントの強要、SNSの投稿内容のチェック、SNSで仲間外れにされる、悪口コメントを書きこまれる、といったことがある。子供の世界でもスマホをめぐって同様のいじめが報じられている。また、中高年の場合、パソコン能力が劣ることを若い部下から馬鹿にされるということもあるという。
苦手な人への対応について患者さんにアドバイスする際には、物理的に距離を取ることや一人で抱え込まずに上司(あるいは上司の上司)や学校の先生や作業所のスタッフに相談してみることをお勧めしているけれども、デジタルハラスメントの場合は自分のスマホが常時ネットに繋がっているし、見えないところで起きているから対策が難しい。そして、SNSの場合、不適切な情報が短時間に多くの人に拡散してしまうから始末が悪い。なるべくデジタルハラスメントに巻き込まれないように普段から十分に注意を払って利用していくしかなさそうだ。技術ばかりが先行してすでにスマホ依存やゲーム依存といった社会問題が起きている。もはやスマホやインターネットのない世界に逆戻りすることはできない。デジタル化推進ばかりでなく、利用に際しての安全対策やデジタル化に乗れない人々への配慮を忘れてはならないと思う。
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