神経質礼賛 1979.石田組
一昨年、らららクラシックというTV番組で硬派弦楽アンサンブル石田組を紹介していた。「組長」の石田泰尚さんの姿を見てびっくり。どう見てもヤ〇ザのオニイサン。もしも電車に乗っていてこんな人が横に座って来て足を大きく広げたら、絡まれるのが怖いから、小心者の私はそそくさと逃げ出すだろう。しかし、ヴァイオリンのテクニックは物凄い。クラシックからロックまで幅広いレパートリーを弾きこなす。本職はもちろんヤ〇ザではなく、神奈川フィルの首席ソロコンサートマスターをしておられる。最近、FM番組で石田組の演奏を聞いた。ネット動画で見ることができて視覚的にインパクトが強いけれども、音だけ聞いてもグイグイ惹きつけられる。
石田組というタイトルのデビューアルバムCDを買ってみた。最初の曲はTVでも紹介された紫の炎というロック曲。組長の激しい演奏に触発されたかのように、地味なヴィオラの「組員」までが弾け出してソロを披露して、組長と丁々発止の掛け合いを演ずる様が面白い。その後はU.K.やレッド・ツェッペリンのロック曲、リベルタンゴで有名なピアソラの曲、映画音楽が並ぶ。しかし最後は弦楽の定番曲・レスピーギ作曲リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲できっちりと締めくくっている。外見とは裏腹に、とても真面目な人であり、繊細な神経の持ち主であることがうかがえる。弦楽合奏というと堅いイメージがあるが、クラシックファンの裾野を広げてくれそうだ。こういう組長ならば大いに結構である。
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