神経質礼賛 1977.もう蚊が出ている
仕事帰りに車で駅まで送ってくれる総務の人が「来週から冷房に切り替わりますよ」と言う。年々、暖房から冷房に切り替える日が早くなっているそうだ。「やっぱり、地球温暖化のせいでしょうかねえ」と。精神科病院では事故防止のため、病棟の窓は広く開かないようになっている。日当たりが良くて外気温が高い日は室温も高くなる。体温調節の難しい高齢者だと、脱水を起こしやすく、発熱ということにもなる。病棟からのコールも発熱報告が増える。それとともに、虫刺されの報告が出始めた。蚊が窓から入り込んだと思われるけれども、冬場は暖房しているから、越冬する蚊もいるらしい。先々週の当直の朝、当直室で自分の腕に蚊が止っているのに気付いて叩くと、時すでに遅し。血を吸われてしまっていた。暑さが厳しいと蚊もあまり活動できなくなるらしく(1535話)、蚊にも適温があって、これからが活動期だ。電気蚊取と殺虫スプレーの出番である。
現在は新型コロナ感染症で頭が一杯だけれども、これだけ温暖化が進んでくると蚊が媒介する感染症についても対策を考えていく必要がありそうだ。今まで熱帯や亜熱帯地方の病気だったマラリアも日本本土で発生するようになるかもしれない。年間数十万人が命を落としているマラリア原虫の感染による病気である。蚊の殺虫剤に対する耐性もついてきていて、殺虫剤の乱用が逆効果になっているという話がある。一度、致死量に達しないレベルの殺虫剤に曝露された蚊は、殺虫剤を避けることを学習する、というような研究もある。蚊の撲滅は容易ではない。
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