神経質礼賛 1987.集中力アップのトリセツ
先週、夕食を食べていると、妻が見たいテレビ番組があると言い出したので、見てみる。NHKの「あしたが変わるトリセツショー」という番組で「集中力のトリセツ」がテーマだった。新聞の番組欄には、脳をだまして集中力アップ、というようなキャッチコピーが書かれている。番組ではよくある場面が出てくる。掃除や片づけをしていると、昔の写真が出てきたりして、つい見ているとどんどん時間が過ぎてしまい、全く進まない。勉強中もいろいろなことが気になってスマホで検索して集中できない。そこで、人を夢中にさせるゲームの手法を取り入れたらどうか、ということなのだ。ゲームの開発者や研究者も登場する。要点の第一は時間制限をつけて、タイムアタック方式にする。少し難しい時間設定にするとよい。第二は、目的の明確化で、決めたこと以外にやることが出てきた場合は後回しにして今に集中するということだ。実際にその手法を取り入れると家事や勉強がはかどる様子が示されていた。
神経質な人では、雑念が気になって集中できないと悩む人が少なくない。特に強迫の人は、本筋から外れた枝葉の部分にこだわって時間を空費しがちである。しかし、森田療法のやり方を実践していると知らず知らずのうちに集中力がアップして仕事や勉強がはかどるようになっているのである。森田では気分本位ではなく目的本位に行動するように説いている。そして、今、実際の行動を重視する。そういう姿勢が身につけば、トリセツは不要である。
さて、番組を見た妻。しきりと感心していたが、そもそも時間を気にせずマイペース、気になることがあるとそちらへ頭がすっ飛んでしまう人だから、効果がなかったことは言うまでもない。
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