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2022年7月 1日 (金)

神経質礼賛 2001.スイカの始末

 当直の日、外来診察と病棟の仕事を終えて医局に入ると、もう他の医師たちは帰った後だった。テーブルの上にメモが置かれていて「出入りの業者さんからスイカをいただきました。冷蔵庫に入っているので召し上がって下さい。お皿は看護部長室に返して下さい」とある。冷蔵庫を開けると、大玉スイカ六分の一カット位のものを8切に切ったものが皿の上に乗っていて、全体にラップが掛けられていた。さあ、困った、どうしよう。常勤医師4人とパート医2人が出勤していた日だったからその人数+αということで8切くださったのだろう。もうみんな帰ってしまっていて食べてくれる人はいない。翌日に食べるのでは少々衛生的に問題があるし、そのまま小さな冷蔵庫の中を占拠しているのも困るし、後片付けは誰がやるのかという問題も発生する。♪あなたなーらどうするー?

 私の選択は、夕食の御飯は少なく食べ、スイカを全部食べてしまう、というものだった。残りの皮はビニール袋にまとめて職員食堂のゴミ箱に捨て、皿は洗って乾かし、翌朝一番に、看護部長さんにお礼を言って返却した。腹が冷えると下り超特急になりやすい私だが、大丈夫だった。精神科救急当直の時はいつも緊張しているためか逆に便秘になりやすいのだ。

  ちなみに、もし、森田正馬先生が同じ場面に遭遇したらスイカは食べなかっただろうと思う。お好きなゆで卵ならば10個でも召し上がり、カレーは2杯、3杯とおかわりする森田先生の苦手なものはメロンだった。食べるとお腹をこわすので、もらって困るものとして「菓子、果物、特にメロン、商品券」という張り紙をしていた位である。困らぬものとしては「卵、鰹節、茶、缶詰」と書かれていた。この張り紙については、実名は伏せられていたけれども、患者に贈り物を要求するおかしな医者がいる、と当時の新聞に書かれたそうである。合理的と言えなくもないが、常識外れの張り紙である。私の師の大原健士郎先生は土佐人のユーモアと解釈しておられたが、皆様はどう思われるだろうか。

 

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コメント

この貼り紙は極めて合理的でかつユーモアもあると思います。ちょっとみると患者に心付けを求めている風にも取られそうですけど、虚を捨て実を取る森田先生の本領発揮と感じます。

たらふく 様

 コメントいただきありがとうございます。

 厳しい暑さが続きますね。こんな時、一切れの冷えたスイカ
が食べられたら・・・うまくいかないものです(笑)。

 「下されもの」の張り紙は、せっかくの好意が無駄にならない
という点で合理的だし、「うれしき物」の最初に「一輪花・盆栽」
と書かれているのは洒落ていると思います。一般的なものでは
なく、あくまでも親しいお弟子さんや患者さんに対するユーモア
なのでしょう。

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