神経質礼賛 1999.コロナ鬱の特効薬
一昨日、朝日新聞デジタルの記事が目を引いた。「コロナ禍で苦しんだホテル本能寺、修学旅行生の粋な計らいに感激」という見出しをクリックしてみた。コロナ禍のため京都の同ホテルの昨年の売上は修学旅行の中止などのため例年の7割減ともろに打撃を受けた。新型コロナの鎮静化により、ようやく客足が戻り始めている。埼玉県新座市の中学校の修学旅行生を受け入れ、スタッフが食事の片づけをしていると、箸袋や敷紙にメッセージが書かれているのに気が付いた。「3日間美味しい食事をありがとうございました」などといった感謝の言葉である。スタッフたちは大変感激したそうだ。教師が指導したわけでもなく、生徒たちが自発的にしたことだという。まさに純な心から出た行動が人を感激させたのだ。捨てられてしまう紙の箸袋や敷紙をメッセージカードとして生かしたのもすばらしい。殺伐としたニュースが多い中、ちょっといい話である。
この2年余り、外出と言えば、短時間、生活必需品を買うだけで籠りがちな生活が続き、鬱々としていた人も少なくない。「コロナ鬱」という言葉も囁かれていた。鬱Depressionには不況という意味もある。経済も落ち込んだ。外来の患者さんの中には職を失った人も何人かいる。このところ、診察中の話の中に旅行の話が出てくるようになった。久しぶりに離れた家族と会えました、伊豆の温泉に行ってきました、善光寺の御開帳を見に行ってきました、などと話す時に笑顔がこぼれる。こちらもうれしくなる。コロナ鬱の特効薬はやはり旅行であろう。まだまだ油断はせずに感染に気を付けながら楽しんできてほしい。
« 神経質礼賛 1998.キャンプの思い出 | トップページ | 神経質礼賛 2000.自由に思わせておく »
コメント