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2022年8月11日 (木)

神経質礼賛 2014.陰キャでよし

 陽気で外向的な人のことを「ネアカ(根明)」、陰気で内向的な人のことを「ネクラ(根暗)」と呼んでいた時期があった。最近は前者を「陽キャ」、後者を「陰キャ」と呼ぶようになっているようだ。「キャ」とはキャラクター(性格)を略して言っているらしい。言葉の響きはあまりよろしくない。世間では陽キャ・陰キャのレッテル貼りが行われているのではないだろうかと思う。ネットで見ると、陽キャと陰キャの特徴、陰キャからの抜け出し方、陰キャがバレる質問、など様々な記事がある。そうした記事を読んで、「自分は陰キャで情けない」「陰キャだからダメなんだ。何とかならないだろうか」と悩む神経質な若い人たちがいるのではないかと気になる。しかし、世の中が陽キャばかりでは騒がしくて落着かないし、皆が出しゃばろうとしてもそうはいかないから収集がつかなくなる。冷静に判断してじっくり動いていく陰キャも必要なのである。花は紅、柳は緑(3話)、という言葉のように、持ち味を発揮してそれぞれの美点を生かしていけばいいのである。あるがままである。神経質で陰キャの人は主演俳優にはなりにくいけれど渋い名脇役にはなれる。嘘つきの強欲政治家やインチキ宗教の教祖様には絶対になれないだろうけれども、堅実にしっかり働いて世の中に貢献することはできる。それでよいではないか。

 根本の性格は変わらない。ただ、行動は変えることができる。内心はビクビクハラハラあっても、挨拶はしっかりして、話す時には意識して音量を2割アップする位のつもりで話すだけで、人から見た印象は変わるものである。そして、めんどうなことを先送りせず、早く手を出していくようにすれば、さらに輝く存在になっていくのだ。

 

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コメント

こんにちは。神戸のクヌギタと申します。
今回の先生の文章、このあいだ僕がFacebookに投稿したこととちょっと共通するところがあると思いコメントさせていただきました。

以下、Facebookに投稿した文章です。

              * * * * *

『三聖病院と「Habit」』

三聖病院は、かつて京都・東福寺にあった、(禅的)森田療法を行っていた精神科の病院です。
かれこれ10年前、どツボにハマって身動きのとれなくなった僕は、この病院を訪れたのでした。

診察室で院長の宇佐晋一先生は、

「心に用事なし 心によしあしなし」
「自分のイメージをつくるまえに 実生活に骨を折ること」
「知らなさ わからなさ きめられなさ」
「知ること と 感じること は別である」

とメモ用紙に書いてくれました。

そして、「『これが自分だ』というイメージ(自己像)を描かないで、どしどしと実際の仕事をしていくことが大事である」とか「健康人のフリをして生活しなさい」などと助言をしてくださいました。

確かに我々(とくに神経質者)は、「私はこういう人間だから」とか「おれはこういうタイプだから」と、勝手に自身のイメージを作りあげて、その範囲の中で行動しがちです。

今ヒットしているSEKAI NO OWARIの『Habit』を聴いたとき、彼らの曲と宇佐先生の言葉が僕の中で繋がったのでした。

♫ 俺たちはもっと曖昧で 複雑で、不明瞭なナニカ
♫ 自分で自分を分類するなよ 壊して見せろよ そのBad Habit

今年95歳になる宇佐先生にも、この曲を聴いてもらいたいなぁ。

              * * * * *  

いささかピントのズレたコメント(?)になったかもしれませんが、ご容赦ください。

追伸
先生のご本『神経質礼賛』、いまも寝る前に少しずつ読み返しております。

暑さ厳しき折、どうぞご自愛くださいませ。

クヌギタ 様

 コメントいただきありがとうございます。確かメンタルヘルス岡本記念財団のセミナーの時に御一緒だった方でしょうか。

 三聖病院はそのうち一度見学に行きたい、と思っているうちに閉院となってしまい、岡本重慶先生の学会発表スライドや京都森田療法研究所ブログで拝見しただけで、とても残念な思いをしました。やはり思っているだけでは駄目で実行しなくては(笑)。

 御紹介いただいたHabitという歌は知りませんでしたが、頭でっかちで自縄自縛に陥っている神経質者の縄を解いてくれる森田療法に重なるものがありそうですね。どうもありがとうございました。

四分休符 様

ご返信いただき、ありがとうございます。
僕は岡本記念財団のセミナーに2回ほど参加したことがありますが、N先生とはお会いしていないです。
10年ほど前(でしょうか)に先生のご著書を送っていただいた者です。

三聖病院は外来で2回だけ受診しましたが、それでもかなり影響を受けました。
初診の際、宇佐先生と診察室で40分ぐらいお話をしたころ、街の心療内科のように予約がいっぱいじゃないかと次の人のことを気にして、「あと何分ぐらい、お時間よろしいですか?」と尋ねたら、宇佐先生が「いつまででも」とおっしゃってくださったことも、とても印象に残っています。貴重な施設でした。

クヌギタ 様

 大変失礼いたしました。

 三聖病院が閉院してしまったのは実に残念なことです。閉院後の様子や院内にあった品々の写真を京都森田療法研究所のブログから拝見しておりました。また、講話も同ブログに公表されたものを拝聴しました。私が前任地で入院森田療法を行った方の中にも三聖病院への入院あるいは通院歴のある方が何人かおられました。本当に貴重な存在だったと思います。

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