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2022年12月25日 (日)

神経質礼賛 2058.鎌倉殿の性格

 今年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が完結した。今まで脚光を浴びることのなかった鎌倉幕府二代執権の北条義時を主人公としていた。そのため、ここ1年間は義時や姉の政子(便宜的な名前であり本当の名前は知られていない)に関連したTV番組が多かった。私はドラマの方は見ていなかったが、ネットニュースに関連記事が流されるのは読んでいて、権力闘争の中で今度は誰が殺されるのかという話題からドラマの進行状況を推測していた。義時は源頼朝の黒子として、頼朝の弟たち、そして有力御家人たちを次々と粛清していった。いつしか義時自身も頼朝の手法を継承していて、頼朝の死後、頼朝と政子の長男・二代将軍頼家を修禅寺に幽閉して暗殺する。頼朝の死についても従来から暗殺説があり、義時は「容疑者」の筆頭である。ある研究者が「鎌倉幕府は暴力団関東組」と評するように、以後も有力御家人たちの血なまぐさい謀殺が続き、北条家が抜きんでた存在となるのである。ドラマの最終回だけは見た。承久の乱の後、義時は病に倒れるが、これは後妻による毒殺だったという説に基づいた話になっていた。そして、政子から頼家の死について問われて、病死と報告していたのは嘘であり、自分の配下が暗殺したことを告白する。題名の「13人」は合議制の御家人の数であるとともに、粛清された人の数という二重の意味を持っていたことが示されて義時が亡くなりドラマは終わっている。

 私が毎回ビデオに録って見ている番組「偉人・素顔の履歴書」(BSイレブン・土曜日放送)でも源頼朝、北条義時、政子が取り上げられた回があった。頼朝の回では精神科医の岡田尊司さんが登場し、頼朝は妄想性パーソナリティ障害だった可能性があることを説明しておられた。猜疑心が強く、人の言動や行動を曲解して攻撃されたと思い込みやすい人格ということだ。ヒトラーやスターリンといった独裁者、あるいは新興宗教の教祖に多いとされる人格である。長く流人として監視され、いつ殺されてもおかしくない生活が長く続いているうちに確かにそういう面が膨らんでいってもおかしくない。私は頼朝の性格(769話)はもう少し健常人寄り、神経質に近い部分を持っていたのではないかと考えている。行動は慎重で心配性な面が見え隠れする。以仁王(もちひとおう)による平家打倒の令旨(りょうじ)にも最初は動かず、令旨を受けた者は討たれるということでやむなく挙兵している。挙兵に失敗して安房の国に逃れ、ごく短期間に関東の豪族たちを従えて鎌倉殿になれたのも、令旨を利用したハッタリだというが、このあたりは北条時政・義時親子らの策にうまく乗ったからではないだろうか。流人だった頼朝には元々の家臣がほとんどいない。後からついてきた御家人たちも元々は領地をめぐって激しく争いあってきているのでお互いにあることないことを頼朝に言いつけて、相手を陥れようとしたのが粛清劇になり、時政・義時に利をもたらした。そして、政子には頭が上がらず恐妻家とも言えるのはやはり神経質の特徴ではなかろうかと思う(笑)。

 

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