神経質礼賛 2067.葛根湯
昨年暮れから、医師のコロナ感染による出勤停止が相次ぎ代診の仕事が増え、近隣の精神科病院でのコロナ感染のため救急患者の受入要請が続き、仕事量は増える一方である。昨今の感染状況だと、いくら気を付けていても、通勤に電車やバスやタクシーを利用しているから自分もいつどこで感染するかわからない。インフルエンザも流行りだしたというし、普通の風邪もあるから、体調管理には注意している。
風邪のひき始めに効果のあるのが漢方薬の葛根湯である。名前の由来となっている葛根(かっこん)は葛(くず)の根で、血行促進・発汗作用がある。他の成分も風邪症状に効果を示す。大棗(たいそう)は棗(なつめ)を乾燥させたもので筋緊張を緩める。麻黄(まおう)はエフェドリン・フラボノイドを含み交感神経の働きを強め気管支拡張作用もある。高血圧や緑内障の人は注意が必要だ。それとスポーツ選手が服用するとドーピングに引っかかる。甘草(かんぞう)は漢方薬によく配合されているもので、有効成分はグリチルリチンで甘みが強く、ステロイド様作用・抗炎症作用があるが、ナトリウム貯留・カリウム低下をきたすため注意しなくてはならない。桂皮(けいひ)はシナモンであり、温熱・発汗・鎮痛作用がある。芍薬(しゃくやく)は鎮痛・抗炎症作用があると言われ、婦人科系の漢方薬によく含まれている。生姜(しょうきょう)はショウガ(823話)のことで、健胃作用・温熱作用で知られるが、昔から食品に添えられていて、抗菌作用があることが近年明らかになっている。
これだけ読んでも、とても効きそうな気がしてくる。江戸時代にはどんな患者にも葛根湯を処方する医者がいたらしい(20話・拙著p.58-60)が、風邪以外にも急性の炎症には効果を示しそうだから、結果的にそうなってしまったのだろう。最近では抗ウイルス効果も言われ、コロナからの回復を早めるという話も出ている。需要が伸びているためか、品薄になっているという。上手に利用していきたい。
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四分休符先生
連続してのコメント、失礼致します。
葛根湯についてはメディアで知り、用意しておこうかな、とドラッグストアへ行く度に思います。常に棚には『葛根湯』は並んでいます。が...どういう訳か、私は漢方薬が合わないらしいのです。一度だけ気分悪くした事がありました。
家人は葛根湯小瓶1本飲むだけで風邪に効く、と言います。葛粉。割高ですので大抵片栗粉?←じゃがいも粉?で済ますのですが、葛粉は大丈夫なので、多分葛根湯の別成分か、たまたまその時だけ合わなかったか、その辺りはわかりません。
基本的な手洗い衛生とうがい。私の場合うがいと言えば「鼻うがい」を表します。昔は夜寝る前に鼻うがいでしたが、最近は時に応じて鼻うがい励行です。どこでも出来るように大きめにオーダーしているマイバッグには塩とコップを常備しています。水があればどこでもうがい出来るように。
少しでも体調が良くなければ、内臓を休めます。無理をして食さない。
乾燥しているのを酷く感じます。寝る時こそマスクの私←笑って下さい。でも私には乾燥防ぎになっているように感じているのです。不織布マスクが推奨される中、頂いた布マスクをこの時は使わせて頂いて。
運動をしなければ食事をしない。と考えるように運動を大切にしたい、とも考えています。たとえ、それが5分だとしても続けたい。時間が無くて5倍速ラジオ体操第一第二。などという事はよくありますが、それでも寒くなって縮こまっている身体を伸ばす、心臓を少し弾ませる。そんな風に考えて。 家人にも、歩行困難になっているのですが、出来る運動を、と勧めています。果たしてやっていてくれているかどうか解りませんけれども。
世がどうなっていくか解りませんが、基本姿勢はあまり変わらないように思います。家人は葛根湯。私は西洋薬常備、でしょうか。本当にインフルエンザなのか風邪なのかなんなのか解らない季節です。
投稿: yukimiya | 2023年1月26日 (木) 14時49分
yukimiya 様
コメントいただきありがとうございます。
風邪もインフルエンザもコロナも症状は似たり寄ったりですからややこしいです。風邪だとすると、初期は自分の体質に合った葛根湯や西洋薬常備を服用して休養することですね。治してくれるのは薬ではなく、自分自身の自然治癒力に他なりません。
投稿: 四分休符 | 2023年1月26日 (木) 21時53分