神経質礼賛 2087.そんなもんなんですねえ
マスク着用義務が緩和され、新幹線には大きなキャリーバックを携えた旅行客が増えてきた。旅行関連の折り込みチラシが増え、長らく運休していた高速バスの運転再開のチラシも入ってきた。少しずつコロナ前の日常に戻りつつあるのは喜ばしい。
不安障害で通院中の方。ツアーの添乗の仕事をしていたが、コロナ禍で仕事がなくなっていた。その上、息子さんが海外勤務になり、当地のコロナ流行のため長いこと帰国ができず、ネットで連絡を取るだけになっていつも心配されていた。一昨日、外来受診された時は満面の笑顔で入って来られた。息子さんが国内勤務になり帰国するのに合わせて旅行に行ってきたとのことだ。1日2回くらい不安時頓服の抗不安薬を飲んでいて薬の残量をいつも気にしていたが、旅行に行っている間は一回も飲まなかったとのこと。飲むことをすっかり忘れていたそうである。「そんなもんなんですねえ」と仰る。その上、このところツアー添乗の仕事の依頼が舞い込み始めているとのことである。「そんなもんなんです」と私もそれに合わせて答える。次の診察予約は大分先にしておいた。
「神経質は病氣でなくて、こんな仕合せな事はありません」(白揚社:森田正馬全集 第4巻 p.386)という森田先生の言葉が頭に浮かぶ。
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