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2023年4月30日 (日)

神経質礼賛 2100.神経質のファミリーヒストリー

 母親関係の手続きがいろいろあって、市役所などに足を運ぶ機会が増えている。銀行の総合口座、ゆうちょ銀行の通常貯金とも凍結されていて、相続手続が必要である。そのための書類の中で驚いたのが被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本が必要だということだった。郵便局の窓口で「枚数が多くて出してもらうのに時間がかかりますよ」とは聞いていた。市役所の証明書窓口の申込用紙にはそんな選択肢はないので受付で聞いてみたら、「出生から死亡まで」というスタンプを押してくれた。それを窓口に出すと、「2-3時間かかりますよ」と言われた。「そうすると、5時過ぎちゃいますね。来週取りに来ましょうか」と言うと、「何とか5時までにやってみます」と。5時に行ってみると書類はできていた。何と全部で17枚。これでは時間がかかるはずだ。家族が知らない結婚歴や出産歴があったりすると、他にも相続権のある人がいたりして相続の際に問題になるから、こういう書類が必要になるのだろう。

 古い謄本は手書きで判読困難なところが少なくない。まさにファミリーヒストリーである。母親は男3人女3人の兄弟姉妹だと思っていたが、実際には病気や事故で早く亡くなった姉や兄弟があと4人いたようだ。母方祖父の名前があちこちに出てくる。以前書いたことがあるが、この祖父は鈴木知準診療所が静岡駅近くにあった頃、こっそり通院していた。「症状」が何だったのかは不明である。通院する時は末っ子(私の叔父)を遊びに連れていくと言って出かけ、帰りには天ぷらそばを食べさせて口止めしていたと聞く。さらに、その弟(大叔父)の名前も出てくる。この人は不眠症に悩んでいた。裾野市に住んでいたから、前の勤務先に通院していて、私が診ていた。母方の人々を思い浮かべると、まさに神経質のファミリーヒストリーということになる。私もそのうちの一人に加わることになる。出世や金儲けとは縁がないけれども、それぞれの人生を全うして生き尽くしたのだから、それでよい。

 

2023年4月27日 (木)

神経質礼賛 2099.山内一豊の妻

 朝、掛川駅でバスに乗ると、まず掛川城のある北に向かって走り出す。そして、旧東海道と交差するところで左折して西に向かって行く。その角(北東側)に清水銀行の和風の建物がある。外壁には山内一豊(1545-1605)の妻が貯めていたお金十両で駿馬を買って夫に贈った場面がレリーフで描かれている。この馬は信長の目に留まり、賞賛され、一豊出世の足掛かりとなるのである。

 山内一豊の父親は織田家同士の戦いで討死する。やがて、父の仇であった信長に仕えることになる。妻の内助の功があまりにも有名になってしまっているが、一豊自身も金ヶ崎・姉川の戦いでは敵の矢が顔面を貫通した状態で敵将を討ち取る活躍を見せている。信長が本能寺の変で倒れた後は秀吉に仕え、やがて掛川城主となり、掛川発展の礎となった。秀吉が亡くなり、関ケ原の戦いの直前、上杉追討の陣を小山で張っていた家康の元に石田三成に挙兵の動きがあるとの情報が入る。その際、一豊は掛川城と兵糧を家康公に提供すると宣言。東海道沿いに領地を持つ他の大名たちもそれに続いたため、家康から高い信頼を得た。この功績で、のちに土佐24万石の大名に出世するのだった。

 神経質人間だと、倹約に努め、コツコツ貯蓄するのは得意とするが、将来のために思い切って使う、ということがなかなかできない。失敗を恐れていろいろ考えてしまうのである。そのため、大損することはないけれども、せっかくのチャンスを何度も逃すことになる。一豊夫妻のようにここぞという時には思い切ってやってみることも必要である。

 

2023年4月23日 (日)

神経質礼賛 2098.用事はなんだったっけ

 子供の頃に聞いた歌の一節が旋律とともにふと頭に浮かび、多分「みんなのうた」で流れていた歌だったろうけど何の歌だったかな、と気になることがある。昨日思い浮かんだのは「用事はなんだったっけ」という一節である。今はネット検索でそれこそ「なんだったっけ」と調べられるから便利である。まど・みちお作詞「あわてんぼうの歌」だった。一番の歌詞で、あわてんぼうは用事を聞かずにお使いに出かけてしまい途中で引き返す。二番の歌詞では八百屋へ行こうとするがお金を持っていないのに気づいて引き返す。三番の歌詞ではお金を出して肝心の野菜を忘れて帰ってきてしまう。愉快な歌であるけれども、今で言えばADHD(注意欠陥多動性障害)の歌であろう。急がば回れ。着実に一つずつ仕事した方が結局は早くなる。そして、適度に確認をすることで失敗を防ぐことができる。逆に神経質な子だと、玄関のカギの閉め忘れが心配になって途中で引き返したり、記憶が確かか心配になってもう一度家に戻って用事を聞き直したりするとかいうオチの歌になるだろう。神経質の場合は「気にはなっても振り向かずに前に進む」である。

 歳を取ってくると、ただでさえ、「なんだったっけ」が増える。何しにここに来たんだったかな、と忘れて元いた所に戻ると、ああそうだった、と思い出す。神経質ゆえ出かける時には財布を確認するからお金を持たずに出てしまうことはまずないけれど、近頃の現金精算機は要注意である。お釣りの紙幣と硬貨が別の所から出てくるので、うっかり紙幣を取り忘れかかることもある。そしてあわてると、三番の歌詞のように、操作に夢中になって、品物を持たずに帰ろうとしてしまうことがある。何のことはない、ADHDではなく認知症の歌と化しているのだった。

 

2023年4月20日 (木)

神経質礼賛 2097.押印箇所200!

 昨日、昼休みに若いA先生から「すみませんが、これお願いします」と冊子を手渡された。表紙には精神科専門医制度研修手帳と書かれている。手帳と言うには大き過ぎるサイズである。A先生は昨年、精神保健指定医の資格を取り、今度は精神科専門医を受験する。以前から時々、症例レポートの相談や添削を依頼されていた。いよいよ出願ということで、疾患別に細かい項目について本人評価と指導医評価を書き込み、項目ごとに指導医のサイン・押印が必要になっている。大項目ごと一覧表の一番上にサインして、後は押印していくのであるが、その箇所は何と200近い。そして押印欄の右側には指導医評価年月日欄があって、全て書き入れていかなくてはならない。今時、種々の書類で印鑑なしでよいものが増えているのに、200箇所も押印が必要だというのには呆れてしまう。とはいえ、A先生の将来に関わる重要書類であるから、粗相のないように神経質に確認しつつ記入・押印していく。2時間近くかかってしまった。

 専門医を取るのは年々大変になっている。私が最初に取得して頃に比べると、研修手帳ができて事細かな指導医のサインが必要になり研修先病院の記録も厳格化され、筆記試験が追加され、他分野の専門医と共通項目の講習も受けることが必要になってきた。私自身、専門医・指導医資格は症例レポートと書類をオンライン提出して今年5年毎の更新をしたばかり。リタイアが近いので、もう次の更新はしない予定でいる。A先生の研修手帳押印は指導医として最後の仕事である。A先生のこれからの飛躍に期待をしている。

 

2023年4月17日 (月)

神経質礼賛 2096.AIが作る近未来世界はバラ色か

 TVで将棋の対局を見ていると、途中から形勢判断と次の予想手が表示される。時には解説者が全く予想しない手をひねり出してくれて面白い反面、そのうちAI(人工知能)による自動解説になって解説者がいらなくなってしまうのではないか、そもそも一流のプロ棋士よりもAIソフトの方が強くなってしまった現状をみると、プロ棋士の存在意義はどうなってしまうのか、などと余分な心配をしてしまう。
 音楽の世界でもAIに編曲や作曲をさせるような試みもされている。芸術の世界にもAIが入り込んできているのだ。近頃は卒業論文もCHAT-GPTというAI利用のチャットサービスを使って作ってしまうという学生がいるらしい。小説もAIで作れてしまうかも知れない。
 近い将来、完全自動運転の自動車が世に出てくるとするとAIが応用されていることだろう。事故を起こさず安全な自動運転自動車は特に高齢者にとっては大いなる助けになるだろうけれども、果たしてAIが作り出す近未来世界はバラ色と言えるのだろうか。

  先週4月11日付毎日新聞の1面に「AI核のような脅威に」と題する記事があった。カナダのAI研究機関のベンジオ教授は、AIが政府や企業などに悪用されることで人類を脅かす「核兵器」のような存在になりうることに懸念を表明し、AI規制の国際的な協定の必要性を訴えている。確かに、効率的に人を殺すAI搭載のロボット兵器が開発されている可能性はあるし、スマホアプリを使って世論を誘導するようなことが行われては困る。AIを駆使した最凶の独裁者や宗教指導者が登場しかねない。手放しでAI万歳ではなく、AIの悪用には目を光らせる必要があると思う。

 

2023年4月16日 (日)

神経質礼賛 2095.金陀美具足のプラモデルモニュメント

 大河ドラマ「どうする家康」では、初陣の時に家康は今川義元から贈られた金ピカの甲冑(金陀美具足)を着用し、以後の戦いでもそれを着用していることになっている。どうも神経質で地味な家康にはミスマッチのような気がしてならない。確かにそういう言い伝えもあるようだが、実際の記録には桶狭間の戦の前哨戦では赤備えを着用していたとされているようだし、この金陀美具足は後世の作ではないかと考える向きもある。実際の戦場で使うというよりは儀礼用あるいは装飾用と見た方がよさそうだ。やはり家康には渋い漆黒の甲冑が似合う。そして寵愛した井伊直政の赤備えとは赤と黒でいい相性である。

 2年前の記事1866話にプラモデルのモニュメントが駅前などに作られたことを書いた。あまり知られていないが静岡市はプラモデルの街であり、有名なメーカーが集まっていて、高い全国シェアを占めている。若い人たちにはガンダムのプラモデルでおなじみかも知れない。晩年を駿府で過ごした家康が全国から優秀な職人たちを集めたため、家具や履物などの製造が盛んとなり、その流れがプラモデルに行きついたと言われている。

 今月になって、駿府城外堀の脇の歩道に金陀美具足のプラモデルを模したモニュメントが作られた。なかなか存在感がある。このモニュメントのところに立ち、撮影してもらっている人も見かける。金陀美具足を本当に家康が合戦の場で着用していたかどうかは怪しいけれども、話題にはなりそうである。

 

2023年4月13日 (木)

神経質礼賛 2094.リハーサル室での練習

 日曜日、駅前の静岡音楽館AOIのリハーサル室を友人が借りて、音楽仲間と練習会をすることになっていた。多くは面識のない人たちで、神経質ゆえちょっと気後れもするが参加することにした。ヴァイオリンを弾く公認会計士さん、普段はエレクトーンを弾いている薬剤師さん、40過ぎてピアノを習うようになったという元国語の先生、私と友人が高校生の頃に同じ高校で定時制の体育教師をしていたという女性はシャンソンを歌うそうだが今回は歌なし。他にもピアノ初心者だという30歳位の男性と事務員をしている女性が集まってきた。それぞれ、普段弾いている曲を弾き、初見で簡単な二重奏の曲を合わせてみる。もっぱらピアノ弾きの友人も遊びで吹いているフルートを持ってきて合わせる。元国語の先生が自作の曲の楽譜を皆に配布し、練習中だという。今度集まる時は無伴奏ヴァイオリンに編曲しておこうかと思う。こういう「大人の音楽クラブ」もたまにはいい。

 その静岡音楽館AOIで勤労感謝の日に行われる「アマチュア・アンサンブルの日」の参加申込も済ませる。演奏時間15分以内なので、曲目はフランクのヴァイオリンソナタ イ長調の第一・第四楽章とした。参加費無料・無審査・抽選で24組が参加できる。果たして抽選が通るかどうかわからないが、楽しみである。

 

2023年4月 9日 (日)

神経質礼賛 2093.天下泰平御蔭餅

 月に1、2回は買っている和菓子屋さんがある。本社は富士市にあって、県内に十数店舗を持つ田子の月という店だ。春の桜餅、夏の麩饅頭は絶対に見逃せない。黒豆大福は通年商品である。毎月29日には「福餅」という大福が販売される。どれも甘さ控えめで美味しい。価格も手頃である。古くから求肥入りの最中が定番商品だったが、新商品の開発にも余念がない。富士山を形どった「富士山御蔭餅」という商品も出している。一見、人形焼のような感じだが、生地には餅粉が使われていて、しっとりした食感がなかなかよい。大河ドラマ「どうする家康」関連商品として「天下泰平御蔭餅」というバージョンも登場させた。抹茶小豆と書かれていて小豆餡の替わりに静岡市北部の「本山茶」を用いた抹茶餡が入っている。これも美味しい。1個113kcalとカロリーも控えめである。パッケージにはドラマのロゴマークが入っている。ドラマが終わってもぜひ作り続けて欲しい商品である。

 駅のキオスクやデパート地下の土産物売場には、ドラマのブームにあやかろうと雨後のタケノコの如くドラマのロゴマーク入りの菓子が数多く並んでいる。しかし、パッケージばかり凝っていて、中身は駄菓子といったものも見かける。これでは食べた人をがっかりさせてしまうだろう。地元の評判も落としかねない。創意工夫をこらして、もう一度食べたいなと思わせる商品開発をしてほしいものだ。

 

2023年4月 6日 (木)

神経質礼賛 2092.厄介なNHKの解約

 亡くなった母親関係のいろいろな手続きを少しずつやっている。その中で、厄介なのがNHKの解約だった。新規契約や住所変更などの手続きはインターネットでできるが、解約については、電話で「ふれあいセンター」とやらに申し込まなくてはならない。ところが、この電話が何度かけても「申し訳ありませんが、只今大変込みあっています。おかけ直し下さい」の自動音声を聞くばかりである。朝から夕方まで30分おきに無料ダイヤルと有料ダイヤルと両方かけても繋がらなくて最初の日は諦めた。年度末だから混雑も仕方がないのかなと思ったが、4月に入っても繋がらない状態が続いていた。

 一週間ほどたってようやく繋がった時があった。一人暮らしの母親が亡くなり家も無人状態になってしまったため解約したいと告げると「お客様番号は?」と聞かれる。以前は毎年葉書で領収書が送られてきて番号が入っていたけれども、いつの間にか領収書を送って来なくなったからわからない、と答える。住所と名前を告げると、そこから待たされる。契約者名が違うという。父親が亡くなってそのままにしていて、引き落とし口座は母親名義のものに変更している、という事情を説明する。死亡日を聞かれる。やっと解約手続き書類を送ってもらえることになったが、添付する書類について死亡診断書コピーではだめなのかと尋ねると、謄本などの公的な書類が必要です、と。内心、カチンと来る。領収書もよこさないくせに偉そうに何だ。死人がテレビを見るとでもいうのか、と言いたくなるのをこらえる。これだからNHK党などという政党ができたのだな、と納得する。ふれあいセンターに繋がらない時には地元のNHK局に電話して対応してもらうのが一番早いらしいことを後で知った。

 

2023年4月 2日 (日)

神経質礼賛 2091.「負けるが勝ち」の「今川さん」

 静岡に住んでいると、非公式キャラの「今川さん」に時々お目にかかる。地下から静岡駅に上げるエスカレーターの両側には、犯罪への注意を喚起する「今川さん」のシールが貼られている。普通のかわいらしい御当地ゆるキャラとは異なり、目が吊り上がり、左眼からは涙がこぼれ落ちている。海道一の弓取りの異名を持ち、文武両道に秀でた今川義元公をモデルにしているらしい。御存知の通り、桶狭間で織田信長の奇襲攻撃に遭って命を落としてしまったがために、後世に「公家かぶれ」という汚名を残してしまった。もっとも、合戦に化粧して臨んだのは身分の高い武士にはありうることだったし、輿に乗っての進軍は家格の違いを見せつけるためのパフォーマンスだったとも言われる。そこで、無念の涙を流す自虐キャラが出来上がったのだろうか。その嫡男の今川氏真は、掛川城の籠城戦で家康と和睦して、妻・早川殿の実家の北条家の庇護を受け、戦国大名としての今川家は終焉を迎えた。のちには家康に臣従している。これまた蹴鞠にうつつを抜かして家を滅ぼしたように言われてしまっている。キャラの氏真はサッカーボールを蹴っている子供として描かれている。

 しかし、戦国大名ではなくなっても、今川家は立派に存続し、江戸時代も高家旗本として繁栄して明治維新を迎えているのである。和歌や蹴鞠を得意とし、公家文化や宮中行事の知識に精通していて、平和な世では、皇室や公家との交渉役として欠かせない存在になっていたからである。戦いに敗れて武士としての体面を重んじて最期を遂げた名将も数多くいるけれども、生き延びて別の活路を見出して、子々孫々活躍していけたのは「負けるが勝ち」に他ならない。武士たるものはかくあるべし、という強迫観念を捨てて、あるがままの自分を肯定してこそできたことである。

 

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