神経質礼賛 2100.神経質のファミリーヒストリー
母親関係の手続きがいろいろあって、市役所などに足を運ぶ機会が増えている。銀行の総合口座、ゆうちょ銀行の通常貯金とも凍結されていて、相続手続が必要である。そのための書類の中で驚いたのが被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本が必要だということだった。郵便局の窓口で「枚数が多くて出してもらうのに時間がかかりますよ」とは聞いていた。市役所の証明書窓口の申込用紙にはそんな選択肢はないので受付で聞いてみたら、「出生から死亡まで」というスタンプを押してくれた。それを窓口に出すと、「2-3時間かかりますよ」と言われた。「そうすると、5時過ぎちゃいますね。来週取りに来ましょうか」と言うと、「何とか5時までにやってみます」と。5時に行ってみると書類はできていた。何と全部で17枚。これでは時間がかかるはずだ。家族が知らない結婚歴や出産歴があったりすると、他にも相続権のある人がいたりして相続の際に問題になるから、こういう書類が必要になるのだろう。
古い謄本は手書きで判読困難なところが少なくない。まさにファミリーヒストリーである。母親は男3人女3人の兄弟姉妹だと思っていたが、実際には病気や事故で早く亡くなった姉や兄弟があと4人いたようだ。母方祖父の名前があちこちに出てくる。以前書いたことがあるが、この祖父は鈴木知準診療所が静岡駅近くにあった頃、こっそり通院していた。「症状」が何だったのかは不明である。通院する時は末っ子(私の叔父)を遊びに連れていくと言って出かけ、帰りには天ぷらそばを食べさせて口止めしていたと聞く。さらに、その弟(大叔父)の名前も出てくる。この人は不眠症に悩んでいた。裾野市に住んでいたから、前の勤務先に通院していて、私が診ていた。母方の人々を思い浮かべると、まさに神経質のファミリーヒストリーということになる。私もそのうちの一人に加わることになる。出世や金儲けとは縁がないけれども、それぞれの人生を全うして生き尽くしたのだから、それでよい。
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