神経質礼賛 2098.用事はなんだったっけ
子供の頃に聞いた歌の一節が旋律とともにふと頭に浮かび、多分「みんなのうた」で流れていた歌だったろうけど何の歌だったかな、と気になることがある。昨日思い浮かんだのは「用事はなんだったっけ」という一節である。今はネット検索でそれこそ「なんだったっけ」と調べられるから便利である。まど・みちお作詞「あわてんぼうの歌」だった。一番の歌詞で、あわてんぼうは用事を聞かずにお使いに出かけてしまい途中で引き返す。二番の歌詞では八百屋へ行こうとするがお金を持っていないのに気づいて引き返す。三番の歌詞ではお金を出して肝心の野菜を忘れて帰ってきてしまう。愉快な歌であるけれども、今で言えばADHD(注意欠陥多動性障害)の歌であろう。急がば回れ。着実に一つずつ仕事した方が結局は早くなる。そして、適度に確認をすることで失敗を防ぐことができる。逆に神経質な子だと、玄関のカギの閉め忘れが心配になって途中で引き返したり、記憶が確かか心配になってもう一度家に戻って用事を聞き直したりするとかいうオチの歌になるだろう。神経質の場合は「気にはなっても振り向かずに前に進む」である。
歳を取ってくると、ただでさえ、「なんだったっけ」が増える。何しにここに来たんだったかな、と忘れて元いた所に戻ると、ああそうだった、と思い出す。神経質ゆえ出かける時には財布を確認するからお金を持たずに出てしまうことはまずないけれど、近頃の現金精算機は要注意である。お釣りの紙幣と硬貨が別の所から出てくるので、うっかり紙幣を取り忘れかかることもある。そしてあわてると、三番の歌詞のように、操作に夢中になって、品物を持たずに帰ろうとしてしまうことがある。何のことはない、ADHDではなく認知症の歌と化しているのだった。
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