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2023年4月20日 (木)

神経質礼賛 2097.押印箇所200!

 昨日、昼休みに若いA先生から「すみませんが、これお願いします」と冊子を手渡された。表紙には精神科専門医制度研修手帳と書かれている。手帳と言うには大き過ぎるサイズである。A先生は昨年、精神保健指定医の資格を取り、今度は精神科専門医を受験する。以前から時々、症例レポートの相談や添削を依頼されていた。いよいよ出願ということで、疾患別に細かい項目について本人評価と指導医評価を書き込み、項目ごとに指導医のサイン・押印が必要になっている。大項目ごと一覧表の一番上にサインして、後は押印していくのであるが、その箇所は何と200近い。そして押印欄の右側には指導医評価年月日欄があって、全て書き入れていかなくてはならない。今時、種々の書類で印鑑なしでよいものが増えているのに、200箇所も押印が必要だというのには呆れてしまう。とはいえ、A先生の将来に関わる重要書類であるから、粗相のないように神経質に確認しつつ記入・押印していく。2時間近くかかってしまった。

 専門医を取るのは年々大変になっている。私が最初に取得して頃に比べると、研修手帳ができて事細かな指導医のサインが必要になり研修先病院の記録も厳格化され、筆記試験が追加され、他分野の専門医と共通項目の講習も受けることが必要になってきた。私自身、専門医・指導医資格は症例レポートと書類をオンライン提出して今年5年毎の更新をしたばかり。リタイアが近いので、もう次の更新はしない予定でいる。A先生の研修手帳押印は指導医として最後の仕事である。A先生のこれからの飛躍に期待をしている。

 

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コメント

 四分休符先生

 私は近年、アバウトな昔を懐かしんでいます。

 高校の時、早朝登校の私は物理科研究室のストーブで手をあぶりつつ先生と何気ない話をする。兵学校の最期の卒業生で厳しい父でして...短気ですし...後は覚えていません。追試験があった事も。ただ、及第でした。

 車の免許も閉塞感のある教室でパニックを起こす私は教室を抜け出す。それでも指導教官は見て見ぬふりだったのでしょう。
 私は今、高齢の家族二人の送迎担当です。

 今はどうでしょう。更新講習では席順まで決まっていて殆ど拘束。

 アバウトではないのです。電子で○or×。細分化、厳格化。必要なのでしょうけれど。
 規則、規格。バーコードで読み込むので値段交渉なぞ無縁。返品します、の一言。

 唯一、骨董市で「お勉強して下さる?」「え~、で、いくら持ってるの?...んじゃ、それでいいや」 アバウト。交渉成立。

 こんな規制、厳格科時代にあって、車のハンドルに「あそび」があるのは危険防止の為。 「あそび」が限りなくない世の中。 生きにくい。

 勿論、四分休符先生の200個の押印は必要不可欠なのでしょうけれど。それでもアバウトの、アナログの延線上の範疇に入ると思うのです。

 規格外は排除される世の中? 厭世的にもなるというものです。

 アバウト。いい←良い、です、加減。そんな時代が懐かしい。

 最後に、父の逸話。友人を一升瓶で大学に入れて貰った話。大学の先生とて人間。終戦後間もない時、先生宅を訪ねて酒瓶ぶら下げて「お願い」をして。そしてかの友人は大学を無事卒業して、大学の先生となって終生を終えたのです。あぁ、アバウト。

 「あそび」は心のゆとりであり、ゆたかさ、と思うのですけれど、ねぇ

yukimiya 様

 コメントいただきありがとうございます。

 昨日、A先生から「すみませーん、まだ押してもらうところがありましたー」と言われて、押印箇所は完全に軽く200越えになりました(苦笑)。これがデジタル署名になったら、またまた大変だろうなあ、と思います。

 仰るように適度な「あそび」がないと息が詰まります。神経質だからキチンと決まっているのは気持ちがいいのですが、あまりにキチキチだと窮屈で疲れますね。歯車だって、少し「あそび」がないとうまく回りません。アナログのユルイ昭和時代が懐かしく思えることもあります。
 

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