神経質礼賛 2104.もらって困る引物(2)
昨日、仕事から帰ってくると荷物が届いていた。香典返しの品だった。母が亡くなる直前に父方叔母の御主人が亡くなり、一日葬とのことだったが、こちらも通夜で動きが取れず、香典だけお届けしたのだった。デパートの包装紙を開けてみると「プチプチ」のクッション材で包まれたボール箱が出てくる。割れ物なのかと思いきや箱の中は「ガーゼケット」という夏向きの寝具だった。良いものではあろうけれども使う見込みがないので、押入の枕棚へ直行である。そして、そのまま忘れ去られることになるだろう。枕棚にはそうした香典返しのタオルやシーツたちが鎮座している。
十年以上前に「もらって困る引物」(761話)について書いている。家族葬の増加、ここ3年ほどはコロナ禍のため葬祭での密集を避けて、規模が縮小化される流れにはなっているが、香典やその引物はあまり変化がないように思う。今回、引物を出す側を経験した。香典を頂いた時に渡す「即日返し」は軽いフリーズドライの味噌汁セットとして、一万円以上の香典を頂いた方には四十九日頃を見計らって「半返し」相当のカタログギフトをデパートから送った。カタログギフトというと結婚式の御祝儀のお返しというイメージがあるかもしれないが、不祝儀用のカタログギフトもあって、カタログ本の表紙は地味な色柄となっている。内容的には肉や酒類の選択肢もあって、もらって困ることはまずないと思われたからだ。ただし、欠点は、重くて分厚いカタログ本は捨てることになるのと、申込期限があるから忘れてそのままになってしまう恐れがあることだ。本当は香典や引物の習慣はもっと簡略化されるのが望ましい。
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