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2023年6月11日 (日)

神経質礼賛 2115.ベートーヴェン交響曲第2番

 皆さんはベートーヴェン(1798話)の交響曲というとどの曲を思い浮かべるだろうか。やはり表題付きの曲がなじみ深いだろう。かつてはLPレコードでA面が第5番「運命」、B面が第6番「田園」というお買い得セットがよくあった。第9番「合唱付」は日本では年末には欠かせない曲になっている。第3番「英雄」も人気が高い。近年ではアニメやドラマの「のだめカンタービレ」の影響もあってか第7番の知名度がとても高くなり、FM番組の特集ではベートーヴェンの交響曲ベスト3に入ったりする。妻の父親は第4番が好みだが、そういう人はなかなかいないだろう。私にとって思い出深い曲は第2番である。

 4年間勤めた会社を辞めて浜松医大を受験して入学したのは27歳の時だった。通学には片道2時間半かかり、アルバイトもしていたから、サークル活動どころではなかったが、楽器経験者ということでオケに強く誘われて入部した。その年の定期演奏会のメインがベートーヴェンの交響曲第2番だった。入学して間もなく、難病のため5年間入院治療を受けていた父が敗血症で亡くなったこともあって、練習に出たのはたった3回か4回でいきなり6月の定期演奏会に臨んだのだった。

 昨夜、ネット上の楽譜図書館「ペトルッチ」でいい楽譜はないかと探していたら、その交響曲第2番第2楽章ラルゲットのヴァイオリン・ピアノ編曲楽譜を見つけた。これは楽しめそうだ。原曲は弦と木管が中心でゆったりとした後の「田園」を思わせるような牧歌的な美しい旋律に満ちている。

 ベートーヴェンがこの曲を作曲したのは30歳過ぎ。急速に難聴が進行し、絶望して「ハイリゲンシュタットの遺書」を書いた時期である。しかし、曲には若さと活力があふれていて、そうした苦境にあったことを全く感じさせない。音楽家にとっては致命的な聴覚喪失という厳しい現実にめげず、それからも歴史に残る名曲を数多く世に送り出していった。この曲は「死からの再生」と言えるかも知れない。

 

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コメント

四分休符先生

 2番ですかぁ... いかにベートーヴェン好きとはあっても、2番とは。全然、知りません。聴けば、もしかしたら、という程度です。 1番は別として、奇数番号はかなり好きです。偶数では、トスカニーニ&NBC響で田園。すごく癖のあるCDを好みましたが、あまりにクセがありすぎて。 今、毎晩の様に聴いて寝入るのは第九の3楽章、いわゆるフルベンの戦時下録音もしくはピアノ協奏曲3番、バックハウスで。手持ちCDは内田光子ですけれど。おそらく第九の3楽章だったら一発で寝入ります。朝までリピート。 聴くまでもなく寝ているのですけれど。 

 先生の思い出の曲でしたら、早速に聴いてみましょう。 お父上を早くに亡くされた事情はなんとなく存じ上げていましたが、そのような...若いお母様を助けるご長男でらした。 あ、そう言えば、私が掛かっている医師も社会人を経て医学部に進まれています。あくまでも噂ですが、お子さんが障害を持って生まれた、と。それがきっかけと。

 私は自分が結婚できない、しない生涯であろうと思っていましたから、いや、そうでなくても独り身で通した男性に関心があり。ベートーヴェンもその一人。カントも、です。その哲学については理解出来ていないのですが、その生活ぶりが。 で、第九の時は聴覚がどうなっていたのか、どうしてあの名曲が生まれたのか、不思議でなりません。

 ラフォルジュルネが2年の延期を経て、ベートーヴェン生誕250年特集を今年行いましたが、なんだか時を逸した感じで、間延び。

 ともかく、後期室内楽は難しい(私は、ミーハーです)、ショパンかベートーヴェンか?!はたまたシューマン?ブラームスetc ショパンはブルース・リウの影響です。やはりミーハー(^^ゞ

 弦楽器をなさる四分休符先生ならではの楽譜選び。そう、やはり聴いてみましょう。
 ネット楽譜図書館も初めて知りました。楽譜のダウンロードとか、デジタル楽譜というのについていけない、です。便利そうですが。

 2番、好きになれたら、私はうれしいです。牧歌的というのがいかにも西欧らしいです。

 余談になります。今、右手首の腱鞘炎でピアノがダメです。先日、「では、左手でいきましょう、館野泉氏は片手で充分と言っていますよ」という事で、左手の為の楽譜を今、取り寄せている所です。そして早速左手の為の曲をさらいつつ、右手のクセを直すべく鍵盤に指をそっと乗せています。年齢的に、無理だろうなぁと思いつつ。ごめんなさい、失礼致しました。

yukimiya 様

 コメントいただきありがとうございます。

 確かにベートーヴェンの交響曲で人気が高いのは
3・5・7・9番と奇数番が多いですね。でも、6番田園
以外の2・4・8番も聴いてみると悪くないですよ。
どの交響曲もピアノ編曲版が存在するので、ピアノ
が弾ける方がうらやましいです。

 ペトルッチ楽譜図書館は著作権切れ楽譜をスキャン
してPDFファイルで閲覧・ダウンロードできます。レア
な楽譜探しには強い味方です。

 結婚しなかった作曲家、という視点は面白いですね。
ベートーヴェンの他にはまずブラームスでしょうか。
クララ・シューマンへのプラトニック・ラヴを貫いたので
しょうか。
 
 腱鞘炎は残念ですね。早い御快復をお祈りします。


 

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