神経質礼賛 2113.菖蒲?
先月の終わり頃からあちこちに紫陽花(1035話)を見るようになった。街中でも鉢植えやプランター栽培ながら見事に花を付けているのを見かける。色や形は様々であり、つい、足を止めて見とれてしまう。梅雨の季節の到来を告げる花でもある。この時期の花で街中ではなかなか見ることができないのが菖蒲である。先日、静岡浅間神社に行った時、池のほとりに咲いていた。さて、これはショウブだろうか。それともアヤメだろうか。待てよ。ハナショウブ、カキツバタもあるが、どれだろうか。今までも違いを調べて、その時はわかったような気がするのだが、すぐに忘れてしまう。
厄介なことに、漢字の「菖蒲」の読みはショウブであり、アヤメでもあるのだ。実にややこしい。植物分類はショウブ科とアヤメ科で異なっている。
ショウブはショウブ科で、葉につやがあり香りが強い。端午の節句には菖蒲湯に入って邪気を払う風習があった。池沼などの湿地に群生。葉の基部は淡い紅色。黄緑色の楕円形の花が5月~7月に咲く。
アヤメはアヤメ科で、花びらの根本に網目模様がある。葉脈は目立たず細長い。畑や草原など乾燥した地に5月上旬頃に咲く。
ハナショウブはアヤメ科で、江戸時代に盛んに品種改良され栽培された。葛飾の堀切菖蒲園は有名で歌川広重の錦絵の題材にもなっている。花びらの根元に細長い黄色の模様がある。葉は表に1本裏に2本の葉脈がある。乾燥地や湿地に群生。花の色は紫だけでなくピンク・白・ブルーなどがある。5月中旬~6月下旬に咲く。
カキツバタもアヤメ科で、湿地に群生。花びらの根元に白い模様があり、葉の幅は広い。5月中旬頃に花が咲く。
ということだそうだが、離れて見たのでは分かりにくい。私が見たのはどうやらハナショウブらしい。ついショウブと呼んでしまうけれども、考えてみれば黄緑色のショウブの花は見たことがない。全く別物であることを知った。
« 神経質礼賛 2112.帰宅困難(2) | トップページ | 神経質礼賛 2114.傘の横持ち »
コメント