神経質礼賛 2126.アリナミンとビタメジン
朝起きるとセミたちの大合唱が始まっている。もう梅雨は明けてしまったのだろうか。セミは元気でも人間はバテバテである。外来の患者さんたちは口々に「体んエラい」と疲労感や倦怠感を訴える。こちらも同じである。
私は若い頃から特に目が疲れやすく、肩もひどく凝りやすかった。それで、学生の頃は薬局でアリナミンを買って飲んでいた。アリナミンの主成分はビタミンB1(チアミン)で糖の代謝に重要な働きをし、欠乏すると脚気をきたす。高価なものは25㎎とか50㎎だが、1日の必要量は1~2mg程度であり、薬で多く摂っても尿中に排泄されてしまうから、安価な5㎎錠を買って1日1錠だけ飲んでいた。医師になってからは三共のビタメジンカプセルを同僚の先生に処方してもらっていた。これもビタミンB1が主成分で25㎎含んでおり、アミノ酸代謝に必要なビタミンB6や神経修復作用のあるビタミンB12も含んでいる。長年利用しているうちにメーカーは三共→第一三共→アルフレッサファーマと推移していった。現在の病院に移ってからはビタメジンが採用されていないため、類似成分のノイロビタンに変更した。
ところが、今年になって種々の薬に出荷停止や在庫切れの問題が起きている中、ビタメジンやノイロビタンなどの医療用ビタミンB製剤も同様に入手できなくなっている。普段の食事で必要量は摂れているはずで、実はプラセボ程度にしか効いていないかもしれないけれども、神経質ゆえ長年飲んでいたものを飲まなくなったら目の疲れや肩こりがさらにひどくなるのではと心配してしまう。ドラッグストアに行った時、念のためビタミンB系の薬を探してみるとしよう。
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