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2023年11月30日 (木)

神経質礼賛 2170.大河ドラマ特別展「どうする家康」

 現在、静岡市立美術館では特別展「どうする家康」が開催されているので見に行ってきた。各地の美術館を巡回してきたもので、国宝・重要文化財クラスの出展が多数あった。入場してすぐ目につくのは2mもある巨大な金扇の馬標(うまじるし)である。織田信長が桶狭間の戦で手に入れた「義元左文字」をはじめ、有名武将たちが所持した刀、そして甲冑が概ね年代順に並んでいた。刀剣マニア・甲冑マニアが見たら狂喜することだろう。実際にこれらを身に付けて戦っていたのだと思うと感慨深い。ドラマでは家康は若い頃から金色の甲冑を身に付けていたことになっているが、金色では目立ちすぎて鉄砲で狙撃されるリスクが高い。また、様式的にはヨーロッパの甲冑の影響を受けていて、時代としてはもっと後のものではないかという説が有力である。やはり晩年の黒光りする地味な甲冑が神経質な家康には似つかわしい。家康をはじめ著名な武将たちの肖像画もある。徳川十六将図はどれが誰かと横の解説と見比べていくと楽しい。本多忠勝像はとても迫力があった。合戦の絵巻物には注目の人物の拡大図が展示されていて、わかりやすかった。こういう工夫はとてもよい。信頼度の高い貴重な歴史資料となっている松平家忠日記(2123話)も展示されていた。歴史と美と両方を楽しむことができた。

 平成26年(2014年)秋に、同美術館で「国宝久能山東照宮展」(1079話)があって、その時に見た普段着姿の家康像に強いインパクトを受けたが、今回は残念ながらその展示はなかった。また久能山東照宮に行けばリアル家康像に会えるかと思う。

 

2023年11月26日 (日)

神経質礼賛 2169.アマチュア・アンサンブルの日

 23日の勤労感謝の日、静岡AOIで第13回アマチュア・アンサンブルの日が開催された。24グループが出演。持時間各15分だから演奏時間は合計6時間。正午から始まった。私と友人の受付時刻は16:15。リハーサルが16:35~17:00。出演時刻は17:19と決められていた。リハーサル室は2つを交互に使い、重ならないように工夫されていた。受付・会場係や舞台袖の誘導係など多くのスタッフがキビキビ動いていて、きっちり時刻通り進行していた。実に神経質が行き届いていた。出演直前、舞台袖に待機していて、前のグループの演奏をモニターで見る。フルートとピアノでクラーク作曲「オレンジ色の夜明け」と久石譲作品だが、とてもアマチュアとは思えない高度な演奏だった。これを聞いて緊張感が高まる。前の演奏者たちが戻ってきて、今度は自分たちの番である。

 曲目はフランク作曲ヴァイオリンソナタ第1楽章・第4楽章。前回の発表会ではピアノの蓋は半分開ける形だったが、今回は前のグループが全開にしていることもあり、そのままとした。第1楽章はまずまずのスタート。ピアノの音が会場に響き渡る。それに比べると、ヴァイオリンの音量が明らかに不足しているのを弾いていて痛感する。第4楽章に入る。途中のピアノだけの部分で、突然、友人の手が止まってしまう。楽譜を見失ったようだ。これはまずい。すぐに次のヴァイオリンの入りを弾き始めると、それに合わせてピアノが入ってくれて大事には至らなかった。テンポがどんどん速くなっていくことから彼の緊張具合がよくわかる。次の「事故」を防ぐため、なるべくテンポを落とすように引っ張って引っ張って弾く。何とか弾き終えてホッとする。

 何年も前から、この曲をいつかはホールで弾きたいね、と言ってきた夢を実現してくれた友に感謝である。また、会場で働いて下さったスタッフの皆さんにも感謝である。

 

2023年11月23日 (木)

神経質礼賛 2168.切縄画賛

 先週末、妻が日帰りのバスツアーに出かけた。前回の美術館ツアーが面白かった(2139話)のに味をしめたのだろう。私は仕事で行けないので、神奈川に住んでいる娘と示し合わせての参加である。行先は箱根の美術館とお寺での紅葉狩り。最大の売りは実際にオリエント急行で使われた車両の中でのティータイム。それにしても、静岡から新幹線で東京まで行って、箱根まで戻り、また東京から新幹線で帰って来るのは無駄だなあ、と思う。もっとも、母娘でおしゃべりしていれば時間は気にならないか。帰りは最終電車になるかもしれない、と聞いていたので、私は仕事帰りにスーパーでつまみになる惣菜を買ってきて、一杯やりながら溜まっている録画ビデオを見てくつろいでいると、突然、玄関が開き、妻が帰ってきた。「大変!大変!すぐ来て!」「黒い猫か犬が死んでいる!」と叫ぶ。慌てて出て行って黒い塊に近づいてよく見ると黒い厚手のビニール製の何かのカバーだった。風に飛ばされてきたのだろう。ツアーの方はさんざんだったらしい。道路が大渋滞で昼食のレストランへの到着は2時間遅れ。どうにか食事にはありつけたが紅葉狩りはパス。ラリック美術館のオリエント急行でお茶はできたが、その後の御殿場・時の栖のイルミネーションは寒いだけだからと娘の提案でツアーから離脱。送迎バスで三島駅へ出て帰ってきたとのことだった。さらに家に入る直前、大パニックでは踏んだり蹴ったりである。

 仙厓さん(2033話)の切縄画賛という禅画を思い出した。一杯やって朧月夜を楽しんで帰る男三人組のうちの一人の足に何かが絡まり、大騒ぎになる。パニックに陥っている男たちの表情やしぐさが可笑しい。足に絡んでいるのは蛇ではなく朽ちた切縄だったのだ。本物の蛇とは異なり口はない。「切れ縄に 口ちハなけれと 朧月」という句が添えられている。先入観があると、物の本質が見えなくなるよ、と仙厓さんは教えているのだ。神経症の「症状」も同じことである。

 

2023年11月20日 (月)

神経質礼賛 2167.ベートーヴェンの二つのロマンス

 昨日の午後は街の楽器屋さんの練習室(空いた教室の時間貸)へ。本番直前練習のために友人が予約してくれてあった。普段、最初に弾くウォーミングアップの曲はモーツァルトのヴァイオリンソナタなのだが、今回は高校時代によく伴奏してもらったベートーヴェン作曲ロマンスの楽譜を持って行った。50年前に使っていた楽譜はボロボロになって処分したので、新しく買ったものだ。

 ベートーヴェンのヴァイオリン小品としてよく演奏されるロマンスは第1番ト長調と第2番ヘ長調がある。実際に作曲された順番は逆だったらしい。オーケストラと独奏ヴァイオリンの編成でちょっとしたヴァイオリン協奏曲といった感じである。第1番はいきなり重音から始まり、途中では指が届きにくい十度の和音が出てくる。概ね穏やかな曲で、ある時、葬儀場のBGMに流れていて、そんな使われ方もあるのかとびっくりしたことがある。第2番は旋律が美しく、スキャットで歌われてもピッタリではないかと個人的には思っている。演奏のコスパ(?)が良いためか第2番の方が登場する機会が多いように思う。

 本番ではリハーサル室で一度弾いた後、ホールでの演奏になる。そのつもりで、フランクのソナタ第1楽章・第4楽章を通しで二度弾いた。その後でロマンス第2番を弾く。高校の時はヴァイオリンとピアノが交互に出てくるところで私がいつも2拍早く入ってしまって合わなくなっていたなあ、と懐かしく思い出した。お互い老化が進んでいるけれども、このデュオN&Nは細く長く続けたいものだ。

 

2023年11月19日 (日)

神経質礼賛 2166.町内の防災訓練

 今日は防災訓練の日。今年は組長なので、9時に地震警戒情報が発令されたという想定で、組内の各戸を回り、訓練伝達情報を伝えていく。黄色に〇印の安全確認カードを掲示してある家は確認済みとして、伝達できた戸数と不在戸数、所要時間を書いた紙を公園に設置された防災本部テントに届けた。その後、避難誘導訓練で公園に集合する。ここからの訓練は年によって異なり、消火器での消火訓練だったり、起震車で地震体験したり、炊き出し訓練だったりといろいろだ。ある年は壊れた家から閉じ込められた人を救出する訓練で、「そこの御主人!チェーンソーで柱を切って下さい!」と言われて初めてチェーンソーを恐る恐る使ったこともあった。今年はAEDの体験なので、仕事で実際に使ったことがある私はパスで妻にバトンタッチである。

 地震災害が起きるのは夜中や早朝のことだってあるし、雨が降っている時だってある。実際に起こった時にはなかなか訓練のようにはいかないだろうが、訓練して意識づけておくことは大切だろうと思う。50年近く前から東海地震が明日にでも起きるかもしれないと言われ続けてきて、幸いにしてまだ起きてはいない。また、東南海地震や南海地震(合わせて南海トラフ地震)の可能性も言われている。広範囲で被害が発生すると隣県からの援助は期待できないだろう。普段忘れがちだけれども、水や食料、非常用品の備えは時々チェックしておこう。「備えあれば憂いなし」は神経質のモットーだ。

 

2023年11月16日 (木)

神経質礼賛 2165.クリーンパーティション

 先週は90代後半、昨日は90代前半の認知症男性の入院を受ける。いずれの方も易怒・易刺激的であり、暴言・暴力行為、介助者へのハラスメントなどが激しく、施設では対応しきれないとのことで入院になっている。どちらも大変なパワーでそれよりも若い私の方がへろへろである。その元気の百分の一でも分けていただきたいと秘かに思う。

   相変わらず、入院時には全員コロナのPCR検査をしなくてはならない。感染防止のために、外来の廊下からサッシを開けたところから外に出て、アウトドア用のテントの屋根の下で鼻腔液を採取している。車椅子の患者さんだったり雨が降っていたりすると手間取る。ところが、昨日は予備の診察室を使って下さいと言われて入って見ると、大きなパーティションが2枚設置されていた。AIRTECHというロゴが入っていて、空気清浄機だとわかった。いつもならば外に出て行うコロナ検査も室内でできるということだ。しかもこれを作動させていれば、感染防止ガウンは着用せず、フェースガードと手袋着用のみでよいとのことだ。これは助かる。しかし、狭い診察室が一層狭くなっている。室内にはしょっちゅう倒れる古い透明パーティションもまだ残っていて、障害物だらけといった感じだ。薄っぺらい「干物体型」の私ならすり抜けられるが大柄の人だと通り抜けが大変だろうなと思う。

 この機械、重量が40kg以上あり、価格も1台二十数万円もするらしい。コロナが収まってきて今更という感もあるが、今後また何かの感染症の流行があるかもしれないからその時には活躍することだろう。メーカーのホームページを見ると、定期的なプレフィルターの清掃作業が必要と書かれている。フィルター交換のランニングコストもかかるだろうなあ。神経質としてはそういったメンテナンスが気になるところである。

 

2023年11月12日 (日)

神経質礼賛 2164.おじさん構文・おばさん構文

 中高年男性にありがちなLINE文章を「おじさん構文」と言うのだそうだ。文章が長い、絵文字や顔文字の多用、名前に「ちゃん」付けする、聞かれもしない近況報告を入れる、女性に対する下心がミエミエといった特徴が指摘されている。若い世代からは「イタイ」「サムイ」と感じられるかも知れない。最近では「おばさん構文」という言葉も言われているようである。長文、絵文字・顔文字の多用は男性と共通であるが、「~だわ」「~よん」「~かしら」といった昭和感漂う語尾、「おはよぅ」「~だょ」というように小文字を文中に混ぜる(私は見たことがないが)、「ちゃんと食べてる?」「風邪ひかないようにね!」といった世話焼き感のこもったフレーズを入れるのが特徴だとされる。

 これはジェネレーション・ギャップでやむを得ないのではないだろうか。私の世代までは手紙やハガキが離れた相手との主な通信手段だった。クラスの同級生の家には電話がない家もあったし、私の家の電話は隣家との共通回線で片方が使っていると、着信も発信もできないというものだった。私が就職して会社からの連絡が取れないと困るので、隣家と交渉し、電話債券を買い直して手続きして独立回線に切り替えた記憶がある。手紙だとどうしても文章が長くなる。インターネット時代でメールが普及しても手紙習慣を引きずっていた。今の若い人はメールも使わなくなり、もっぱらSNSやLINEだから、短い言葉での連絡に慣れている。そして即座に反応する。いきなり写真だけ送ってくることもある。そもそも育った環境が違うのだからどうにもならない。まあ、何と言われようと、いいのではないかと思う。当ブログなど硬い言葉で長文を書いているから「ぢいさん構文」と揶揄されそうである。

 

2023年11月 9日 (木)

神経質礼賛 2163.プラスチックが溶ける?

 しばらくぶりにポータブルハードディスクを使おうと思って出したところ、手がベトベトになって驚いた。衝撃吸収の目的だと思うが、黒く全面がラバーコーティングされている。ゴムが劣化したのだろうか。以前、防水の懐中電灯や双眼鏡でも同じような現象が起きて、捨てたことがある。他の物は大丈夫か、と身の回りのものを調べてみる。ラバーコーティングではないけれど、プラスチック製のMP3プレーヤもベトついている。

 以前、ゴムが溶ける問題は書いたことがある(535話)。白いプラスチックが黄色に変色する問題もどこかで書いたことがあるけれども、プラスチックが溶けるとは。調べてみると、湿気の水分のために加水分解が起こり、可塑剤が表面に浮き出てきて、これがベトベトの原因だそうだ。このベトベトを除去するには重曹水に漬けるのが効果的らしいが、電気物だとそれはまずい。エタノール(エチルアルコール)を染み込ませた布で拭き取るのがいいらしい。エタノールを含んだフェイシャルペーパーを使うのが簡便だとのことで、実際にやってみる。MP3プレーヤのベトベトは結構除去できた。しかし、ポータブルハードディスクの方は拭いても拭いてもまた出てくるようで収拾がつかない感じだ。これは手強い。ハードディスクは使用時にかなり熱を持つから劣化が進むのも早かったのだろうか。そこにもってきて、私が過ごす三畳の書庫は締め切っている時間が長く、物もあふれていて換気が悪いからこういうことになってしまうのだろう。ベトベトが出現してから慌てるのではなく、予防対策をしなくては、と反省する。

 

2023年11月 5日 (日)

神経質礼賛 2162.精神科医が絶対にしないこと

 ある医療サイトを見ていたら、診療科ごとに「その科の医師が絶対にしないこと」という記事があった。医師たちのアンケートを紹介したものだ。精神科のところをちょっと覗いてみると、①ネクタイをしない、②電車のホームで線路近くに立たない、③自己開示をしない、④緊急時に「お医者さんはいますか?」という時に名乗らないというようなことが書かれていた。

 ④は私もそうだと思う、内科や外科や脳神経外科の先生たちのように手を挙げる自信はない。役に立たず迷惑をかける可能性が高いからだ。もし誰も名乗りを上げず、多少なりともお役に立てそうな状況であれば、協力しようというスタンスである。しかし①②③に関しては完全に掟破りである。①は首を絞められる恐れがあるから、ということで、実際、そういう理由でネクタイは絶対にしないという医師がいた。私はクールビズが広まる前は暑い時期でも仕事中はネクタイをしていた。今は年間の半分はネクタイをさぼっているが、やはり、仕事中はきちんとした身なりがよいと思うからで、「外相整いて内相自ずから熟す」(86・87話、拙著『神経質礼賛』p.100)なのである。ネクタイをしようがしまいが外来診察中に突然に顔を殴られたことだってある。②はいつも早めに列の前の方に並ぼうという習慣なのでどうにもならない。もちろん、何かのはずみにホームから転落しないよう気を付けてはいるが。③は妄想対象にならないようにということで、精神科医の常識ではあるけれども、森田療法関連では、自己開示も必要になってくる。医師自身が神経質性格に悩み、神経症症状に苦しんで、それを乗り越えた経験を語ることは大いに参考になるだろう。日常生活のひとコマひとコマが森田療法実践の場になるので、自分の生活を語ることもある程度は必要だと思う。かつての森田療法家たちは自然にそれを実行していた。森田先生は次のように述べておられる。

   既に治った人は、その喜びとともに、同病相憐れむの情から自分の症状を告白・発表して、他の人の参考にもし、同病を治したいという情が切になってくる。これがすなわち懺悔の情にもなれば、犠牲心ともなるのである。これと反対に、まだ治らない人も、自分で努めて懺悔し、犠牲心を出せば、これが治る機会となるのであります。(白揚社:森田正馬全集 第5巻 p.124)

 

2023年11月 2日 (木)

神経質礼賛 2161.ミルクスタンド

 10月29日(日)付毎日新聞1面のトップ記事は「迫る」という特集記事で「愛され続ける駅の瓶牛乳」「地場の味並ぶ聖地」という見出しで秋葉原駅ホームのミルクスタンド「酪」を扱っていた。今時、ミルクスタンドは見かけなくなったが、秋葉原駅のスタンドはまだ健在だったのだと知って驚いた。

   山手・京浜東北線と総武線が直角に交わる秋葉原駅では2階ホームから3階の総武線ホームに階段を上がったところにミルクスタンドがあったのを覚えている。浪人中、蒲田から四谷の予備校に通うのに、東京駅で中央線快速に乗り換えれば早いのに、わざと秋葉原経由の定期券を買って京浜東北線から総武線各駅停車に乗り換えていた。今と違って秋葉原は電気街一色。電化製品・電子部品の聖地だった。予備校の授業が終わると秋葉原で降りて、電子工作に使う安価な部品を求めてあちこちの店を物色したものだ。そんなことをしていたから浪人しても第一志望の大学には入れなかった。過去の失敗を引きずりやすい神経質としては、みじめな思いをしたけれども、今となっては笑い話である。

   その「酪」は1953年(昭和28年)の画像データが新聞社に残っていて、今回の記事に掲載された。これだけ世の中が大きく変化してもなお店を続けていくのには店側の大変な努力とその牛乳を愛してやまない常連客の存在があった。12社から取り寄せた「ご当地牛乳」が主力商品であり、紙パックではなく瓶にこだわることで高品質の牛乳がおいしく飲めるのだそうだ。近頃ではSNSで知った外国人観光客がわざわざこの店を目指して来るという。今度東京に行く機会があったら秋葉原駅に立ち寄ってこの牛乳を飲んでみようと思う。

 

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