神経質礼賛 2161.ミルクスタンド
10月29日(日)付毎日新聞1面のトップ記事は「迫る」という特集記事で「愛され続ける駅の瓶牛乳」「地場の味並ぶ聖地」という見出しで秋葉原駅ホームのミルクスタンド「酪」を扱っていた。今時、ミルクスタンドは見かけなくなったが、秋葉原駅のスタンドはまだ健在だったのだと知って驚いた。
山手・京浜東北線と総武線が直角に交わる秋葉原駅では2階ホームから3階の総武線ホームに階段を上がったところにミルクスタンドがあったのを覚えている。浪人中、蒲田から四谷の予備校に通うのに、東京駅で中央線快速に乗り換えれば早いのに、わざと秋葉原経由の定期券を買って京浜東北線から総武線各駅停車に乗り換えていた。今と違って秋葉原は電気街一色。電化製品・電子部品の聖地だった。予備校の授業が終わると秋葉原で降りて、電子工作に使う安価な部品を求めてあちこちの店を物色したものだ。そんなことをしていたから浪人しても第一志望の大学には入れなかった。過去の失敗を引きずりやすい神経質としては、みじめな思いをしたけれども、今となっては笑い話である。
その「酪」は1953年(昭和28年)の画像データが新聞社に残っていて、今回の記事に掲載された。これだけ世の中が大きく変化してもなお店を続けていくのには店側の大変な努力とその牛乳を愛してやまない常連客の存在があった。12社から取り寄せた「ご当地牛乳」が主力商品であり、紙パックではなく瓶にこだわることで高品質の牛乳がおいしく飲めるのだそうだ。近頃ではSNSで知った外国人観光客がわざわざこの店を目指して来るという。今度東京に行く機会があったら秋葉原駅に立ち寄ってこの牛乳を飲んでみようと思う。
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