神経質礼賛 2179.こむら返り(足のつり)の特効薬
このところ夜中に突然こむら返りが起り、あわてて起き上がり、ベッドの横でふくらはぎの筋を伸ばすのだが、また繰り返しなり、さらには両足ともやられてしまう、という現象に悩まされている。こむら返りは有痛性・特発性のふくらはぎの腓腹筋の不随意収縮のことである。運動や疲労、発汗、K、Ca、Mgといった電解質の異常、加齢などが誘因とされている。急な冷え込みも原因の一つかもしれない。一晩に何度も起きると眠っていられなくなるし、次の朝までひどい筋肉痛が残って、果たして出勤できるかと心配になったりする。
実はこむら返りの特効薬とされる薬がある。芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)という漢方薬で68番の番号が付けられている。勤務先の病院職員でこの薬を愛用している人が数人いて、時々処方を頼まれる。漢方薬は飲み続けないと効果が出ないのが普通だから、そうそう飲み続けるのも大変だなあ、と思っていた。しかし、この薬に関しては即効性があるのだそうだ。芍薬に含まれるペオニフロリンという物質が筋収縮に必要なCaイオンの細胞内流入を抑制し、筋収縮を抑制する。さらに、甘草は鎮痛作用を示す。ペオニフロリンは動物実験のデータでは服用後5分で最高血中濃度に達する。透析中に筋痙攣を起こした患者さんに実際に芍薬甘草湯を投与したデータでも平均5~6分で疼痛が消失したという報告もあって、即効性を裏付けている。
こむら返りになった時に芍薬甘草湯を服用した経験はまだないが、芍薬を多く含む手持ちの99番・小建中湯という薬を飲んでみた。すると、短時間で効果を体感した。芍薬甘草湯の飲みやすい錠剤タイプも薬局・薬店で市販されている。これなどは足の痙攣に悩まされるスポーツマンがいざという時のために持ち歩いているというような話もある。錠剤ならば夜中になってしまった時に服用しやすいだろう。こむら返り(足のつり)に悩まされている方は試してみることをお勧めしたい。
« 神経質礼賛 2178.シルバー人材センター | トップページ | 神経質礼賛 2180.闇の中に浮かぶ光明 »
コメント