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2024年1月11日 (木)

神経質礼賛 2185.光る君へ

 高校生の時、与謝野晶子訳の源氏物語の三分冊になった分厚い文庫本を買って読み、夢中になった。古文の文法を覚えるのは嫌いだったが、図書館で源氏物語関連の評論をいろいろ借りて読んでいた。それだけ惹かれたのは、作者の神経質に共鳴したからだと思っている。紫式部(414話・1760話)は本名不明、生没年不詳であり、その生涯は謎に包まれていて、小説ネタには都合の良い人物である。今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」は紫式部と藤原道長(413話)を中心とした話になっている。第1回を見てみた。ドラマの中では紫式部の本名を「まひろ」としていて、幼少時に「三郎」・・・藤原道長と出会ったことになっていた。まひろの父は学者肌で出世とは縁がなく失職しており、やはり下級貴族の母の実家も貧しく、屋敷は荒れ果て、使用人たちは次々と辞めていった。この実体験は源氏物語の「夕顔」や「末摘花」の描写に生かされているのだろう。母親は早くに亡くなるが、ドラマの中では父親の職が決まったお礼参りにまひろと従者とともに小さな神社に行った帰り、馬で通りかかった藤原道兼(道長の兄)にいきなり胸を刀で刺されて殺されてしまうという非常にショッキングな展開になっていた。これはいくら何でもありえない設定である。上級貴族であっても、白昼に路上で人を殺したら、検非違使に捕縛されることはなくても悪い評判が立って自分が大きなダメージを受けることになる。道兼が暴力的であったというような話は聞かない。その嫡男の兼隆は自分の手は汚さないが暴力事件を起こしている。ちなみに兼隆は紫式部の一人娘・藤原賢子(大弐三位)の初めの夫とされている。ドラマの初回視聴率は過去最低だったそうだが、紫式部の神経質ぶりが描かれるかどうかにも注目しながら、もう少し見てみようかと思っている。

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コメント

 
 四分休符先生へ
 
 私も四分休符先生とまったく同じ動機で「光る君へ」を見てみました。
 紫式部日記を見ますと、宴席などを嫌い人ともあまり交渉を持ちたくない、
 神経の細かい方と思われたからです。
 大河ドラマは、俳優、タレントの学芸会みたいな芝居になっていて、今まで
 あまり見なかったのですが。
 道兼の粗暴な振る舞いも、いかにも役柄設定が一面的で安易なつくりに
 なっていますね。一般向けに善玉悪玉をくっきりさせ印象深くさせる為かも
 しれません。
 先生と同じで、私も学生時代源氏物語を与謝野晶子の訳で読み始めましたが
 途中で投げ出してしまいました。その後も何度も挑戦して何度も挫折しました。
 六十代で尾崎左永子氏の訳でやっと読み終えました。
 これは、光る源氏を触媒にして、女性の色々な性格、人間性を観察した報告書
 みたいなものだ、と思ったものでした。たまに原文で読むのですがその繊細で
 情緒的文体に驚嘆した記憶があります。
 神経質でなければ書けない文学なのではないかと。
 紫式部の自筆の文字さえ残っていないそうですが、もうすこし「光る君へ」を見て
 見ようと思っています。


 
 
 

 


 四分休符先生

 紫式部が神経質だった?知りませんでした。

 今回は久し振りに大河を観てみようかと思っています。源氏物語&宇治十帖面白かったからです。
 導入は...恥ずかしながら「漫画」。いや、読もうと思ってまずページを開く。常に「桐壺」で眠くなる。また「桐壺、桐壺、桐壺」の繰り返し。 神経質流儀様如き?
 で、漫画をチョイと覗いてみたのです。いや、これは面白そう!と、手持ちの与謝野源氏を読み切りました。

 で、学生時代、チャラチャラ同級生が「やはり、谷崎源氏よねぇ~」と言うのです。
え?!このチャラチャラが源氏?見目で判断できない、と思ったものです。彼女は高校からエスカレーターで上がってきた人でしたけれど。でもねぇ...私にしてみれば、谷崎も与謝野も他の源氏物語がありますけれども、そんなに読み込んでおりませんで(^^ゞ  まして尾崎源氏とは...

 という事情で暫く様子をみてみましょう...

神経質流儀 様

 コメントいただきありがとうございます。

 与謝野晶子訳は敬語を取り払って、スッキリと
現代の小説として読むことができ、わかりやすかっ
たです。

 日記から見る紫式部の行動を見ていると対人
恐怖の自分と重なる点が多く、親近感を感じた
ものです。

 仰るように、母親が殺害されるシーンは善玉・
悪玉をハッキリ印象付けるため、創作したもの
だろうと思います。

yukimiya 様

 コメントいただきありがとうございます。

 漫画でも読み切れば源氏物語のすばらしさ
を理解することができますね。
 人の内面の悩みはわからないものです。
見た目チャラチャラでも内面は神経質という人
もありえます。

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