神経質礼賛 2202.掛川桜
昨日仕事を終えて、いつも一緒に帰る薬剤師さんから「残業なので先にお帰り下さい」と言われて一人で帰ることになった。ニュースで掛川城近くの掛川桜が見頃になっていると言っていたのを思い出した。送迎車の運転の方に頼んで駅の手前で降ろしてもらい、掛川桜を見に行った。掛川城の近くを流れる逆川の土手沿いには約300本の掛川桜が植えられている。近頃は各地に早咲きで有名な河津桜が盛んに植えられているが、この掛川桜は地元で開発されたオリジナル品種の桜なのだそうだ。今年は例年より10日ほど早い開花だったという。昨日はあいにく真冬に戻ったような冷たい強風が吹いていた。それでも、土手沿いの道路はカメラ片手に歩いている人がちらほら。夕日に照らされて花の紅色が濃く見える。この桜は少し下向きに咲くため、はにかんでいるようにも見える。ニュースでは城を背景にライトアップされた鮮やかな画像が出るけれども、寒風にさらされて夕日を浴びて地味に咲いている桜の姿も悪くない。昨日は公立高校の卒業式が行われていて、この季節にふさわしい。大学入試も終盤戦といったところだろう。今の学生さんたちは大学合格発表をスマホで見て知るが、私の頃は合格電報を頼んだものだ。「ヨシダヤマ ハナサク」というような電報が届くのだが、私のところに届いたのは2年続けて「ハナチル」だったなあと思い出す。受験、恋、仕事、あらゆる面で「負けっぱなしの青春」だったけれども、若い時の失敗や挫折はどうということはない。粘っていればそこそこ何とかなるものだ。そして神経質性格に悩んだのも、今では神経質に感謝しているのだから。
駅のホームに上がったのはいつもより15分遅れだった。ホームに立って30分近く待っているよりもいい時間を過ごせたと満足する。
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