神経質礼賛 2219.診察室のパーティション撤去
新型コロナの感染が広がっていた頃、感染防止対策に外来診察室に透明アクリルのパーティションが設置された。診察机の前に1枚、横に1枚である。狭い診察室がますます狭くなり、車椅子の患者さんが入って来ると車椅子が当たってパーティションが倒れたり、高齢の方が立ち上る際にパーティションの枠に掴まろうとして倒してしまったり、患者さんが連れて来た小児が触って倒したり、というトラブルが絶えなかった。枠は軽いプラスチック製なので掴まることはできない。それに、声が通りにくくなるから、難聴の方との会話は困難になる。結局は近くに寄って大声で話さざるを得ない。それが、ようやくこのところの感染減より、先週末に撤去となった。心理的にも患者さんとの間の隔てがなくなるのはいいことだ。もともとこうだったんだよなあ、と思う。患者さんたちも「あ、仕切りが取れたんですね」「スッキリしましたね」と言ってくれる。ただし、3つの診察室のうち一つは発熱者を診察する場合に備えてまだそのままになっている。また、新型コロナに限らず何かの感染症の流行でパーティションを再利用しなければならない事態が起きなければいいのだが、とつくづく思う。
ただ、ここ5年余りでマスク常時着用の習慣がすっかり身についてしまった。元々精神科医は内科医や外科医と異なりマスクをする習慣が長年なかった。マスクを外して患者さんと話すようになる日は果たして来るのだろうか。
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