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2024年5月12日 (日)

神経質礼賛 2225.葬儀の変化

 毎週の精神科救急当直の担当から解放されて、先月から当直は月1~2回の土曜当直だけになり、プレッシャーは軽くなった。年齢を配慮してもらえたのだろう。とはいえ、入院患者さんの急変対応は変わらない。今朝は午前2時過ぎに病棟から90代患者さんの呼吸が停止しているという連絡が入る。すでに心電図はほぼフラットで、時々微弱な拍動が出るだけである。カルテを見ると、急変時に蘇生処置はしないということで御家族の了解を得ているため、御家族に電話して来院していただくことにする。隣市から1時間ほどで息子さん夫妻が到着。死亡確認し診断書を作成する。自分が担当している患者さんでないと、死亡関連の病名と罹病期間をどうするか、頭を悩ますところである。食事が摂れず、点滴を続けていて衰弱された方なので、主病名は老衰で問題ないが、関連病名の認知症がいつからなのかわからない。ケースワーカーさんがまとめた病歴にも前医からの紹介状にも全く書かれていない。介護サービスを利用し始めた時期から推定して記載する。普通は死亡診断書を書けば当直医の仕事は終わりで、電子カルテ上の退院処理は翌日に主治医にお任せすればよいのだが、日曜日だし、主治医の先生が次回出勤されるのは水曜日であるから、代わりにやっておく必要がある。県に提出する医療保護入院者の退院届も作成しておく。やれやれとちょっと横になると、5時頃に病棟から「葬儀屋さんが来ました」と連絡が入り跳ね起きてお見送りである。普通なら、葬儀屋さんが「これより葬祭会館〇〇にお送りいたします」と口上を述べて出棺するのだが、今回は「これより御自宅にお送りいたします」と。御自宅で通夜をするケースは極めて少なくなった。今朝、医局に届けられた新聞の折り込み広告にも家族葬のチラシが入っていた。最近は家族葬のTVコマーシャルも目立つ。やはり、超高齢化やコロナを背景に葬儀の規模縮小の流れになっているのだろうと思う。

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コメント

先生のご活躍とてもうれしいです。医師は当直などあり激務ですね。お体ご自愛下さい。

毎回先生のブログを楽しみに読ませていただいております。

神経質を礼賛するブログは他にないからです。

あまり無理をせず細く長くお仕事を続けたらよいかと思います。

これからも患者さんを助けブログでも日常の出来事など書いて頂けたらうれしいです。

家族葬最近増えているみたいですね。

森田療法命 様

 コメントいただきありがとうございます。

 40年ほど前、父が亡くなった時、わが家も病院
から家に亡骸を引き取り、家に祭壇を作って通夜
を行った記憶がありますが、家で葬儀ということは
本当に稀になりました。街角で葬儀のある家への
道順を示す「指さし」を見ることもなくなりました。
そして、新型コロナの流行で「三密は避ける」とい
うことで親族が冠婚葬祭に集まることも減っていま
す。大きく様変わりしていますね。

 森田正馬先生は神経質を礼賛されていましたし、
私の師である大原健士郎教授も患者さんたちに
「神経質で悪いことは一つもないんだよ」「神経質
は出世の性格だよ」と常々言っておられました。
現代の森田療法ではそのような医師はほとんど
いなくなりました。時代錯誤のドン・キホーテかも
知れませんが、もうしばらく旗を振り続けたいです。

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