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2024年5月19日 (日)

神経質礼賛 2227.ハードとソフト(1)

 『森田療法はこうしてできた 続・森田療法の誕生』(2220話)を送ってくださった著者の畑野文夫さんにお礼とともに拙著『ソフト森田療法』をお送りしたところお手紙をいただいた。畑野さんは鈴木知準先生の厳しい指導を受けられた。入院生全員の前で「君はアタマが悪いねえ」と指摘されたこともあったが、それが最も効果を感じた指導であり、3カ月足らずで生活態度が180度転回し、その後元に戻ることもなかったのはその厳しさのおかげだったと述懐されている。この治療経過は『鈴木知準診療所における入院森田療法 体験者の記録』(1245話)の最初のところにコンパクトにまとめられている。いわばハード森田が非常に鋭い効果を示したのだと思う。

 私は浜松医大で森田療法を担当していた時は森田原理主義者とでも言うような厳しい治療者だった。病棟全体がゆるやかな森田療法をベースに動いていて、うつ病や統合失調症などの患者さんにはいいのだが、神経症の人には生ぬる過ぎると感じていた。パニックとなることを恐れて畑作業に行かずベッドに寝ている担当患者さんは「あなたは何しにここに来ているのですか」と叩き起こして畑まで引っ張って行った。「もうダメです」と半泣きになっても「心電図で異常はないのだから健康体です。できないのではなくてやらないだけ」と引っ張った。その人は病院から1kmほど離れた畑の作業に行けるようになり、リーダーにもなった。一人でバス・電車に乗り片道3時間以上かけて外泊することもできた。ところが、退院間近で私が転勤となり、後任の先生は「辛ければ休んでよい」というスタンスだったのでズルズル退院を引き延ばしてそれから1年ほど入院し続けたと後で知った。しかし、ハード路線一本だと脱落例が増えてしまう。特にやや知的に低い方、パーソナリティの未熟な方の場合には支えが必要であり、担当看護師さんがいわば母親役となって入院治療を最後まで継続できた例も少なくなかった。やはりその人に合わせた森田療法が必要なのだと思うようになっていった。

 

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コメント

私も入院森田を少し考えたことがありましたが、費用の面でムリでした。
その人、一年以上入院を続けたなんて、リッチでうらやましいです。
お医者さんが言う「パーソナリティの未熟」ってどんななんでしょう。もしかして、私もかも・・

 森田先生の生きた時代は今のような健康保険
制度はなく、自費診療でしたから、治療を受ける
のは大変なことでした。それゆえ、治療を受ける
側も「背水の陣」であり、1日も早く治して退院し
たいという意欲は強く、一生懸命に取り組む人が
多かったと思います。

 その点、現代は、国民皆保険ですし、正社員
であれば病気休職中も給与の何割かは保険組
合から傷病手当金として支払われます。医療保
険の入院1日 〇〇円が適用されることもありま
す。そうなると、急いで退院しなくても休めるだけ
休んでから仕事に戻ろうという人も出てきます。
もちろん、そういう人は治りにくいですが。

 森田先生は神経症を森田神経質とヒステリー
に大別しています。ヒステリーとは子供あるいは
子供っぽい性格の人に起きる神経症で身体的
変化を伴うことが多いとしています。未熟なパー
ソナリティということです。大人の知能はあっても
感情過敏で現実逃避して「疾病利得」を得ようと
いう傾向が見られます。子供が嫌なことがあると
「頭が痛い」「おなかが痛い」と訴えるようなもの
です。「アルプスの少女ハイジ」に登場する友人
のクララが歩けなくなっていたのもヒステリーで
した。

 自分は未熟なのではないかと心配する人は、
そうでない場合がほとんどですのでご安心くだ
さい。

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