神経質礼賛 2244.ヴィヴァルディの「夏」
最近、休日に、楽譜の打ち込み作業をしているのはヴィヴァルディ作曲ヴァイオリン協奏曲ホ長調RV271『恋人』という曲だ。穏やかで優美なこの曲を是非弾いてみたいと思っていたが、あいにく楽譜が出ていない。ネット上の楽譜図書館でスコアを見つけてそれを打ち込んでいる。第一楽章が完成し、それから独奏ヴァイオリンの楽譜を印刷。伴奏音源もできた。
この曲が入っている手持ちのCDのメインの曲はヴィヴァルディ作曲『四季』。演奏はイ・ムジチ合奏団である。『四季』の楽譜にはソネット(十四行詩)が書き添えられていて、曲が表現する情景がありありと浮かんでくる。作者不詳だが、おそらくはヴィヴァルディ自身の作かと思われる。「夏」の第一楽章は「太陽が照り付ける厳しい季節に 人も羊の群れもぐったりし 松の幹も焼けるように熱い」で始まる。このところの暑さがピッタリはまりそうだ。やがてカッコーが鳴き始めるとそれにつられて山鳩やゴシキヒワも鳴き始める。小刻みの楽譜にカッコーの鳴き声が織り込まれているので弾いていて楽しい。第二楽章では不快なハエや羽虫が飛び回る様が表現される。第三楽章では嵐が襲来し、現代のロック音楽さながらの激しさである。
以前書いたことがあるが(1651話)、ヴィヴァルディは病弱のため狭いヴェネツィアの街から出ることができなかったと言われる。喘息発作に悩まされ、眠れない苦しさを表したのではないかと思うような曲もある。今のような医療がない時代であるからまさに「死の恐怖」と隣り合わせである。本業の司祭の仕事も十分にはできなかったようだが、後世に残るさまざまな楽器のための数多くの協奏曲を作り、バッハにも大きな影響を与えている。
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No.1651のヴァイオリン協奏曲「不安」 はメモしてあったので、すぐ記事に飛んでゆけました。ヴィヴァルディの『四季』、特に「冬」を実際の演奏で聴いてみたいです。
先日、coba(アコーディオン)と沖仁(フラメンコギター)のライブに行ってきました。期待以上に良かったです。今月と来月で、あと3つコンサートの予定があって、内一つはN響です❕楽しみ。
メンデルスゾーンの『スコットランド』、先生はお好きですか。私はとても良かったです。今夜も聴きたいと思います。
投稿: ママっ子 | 2024年7月15日 (月) 20時25分
ママっ子 様
交響曲第3番「スコットランド」、第4番「イタリア」
どちらも人気の曲ですね。いい曲だと思います。
「真夏の夜の夢」序曲は学生オケで弾いたことが
あります。同じ作曲家の曲を聴いていると、あの
曲のフレーズを使っている、とピンと来たりして、
それを見つけるのも楽しいです。
投稿: 四分休符 | 2024年7月16日 (火) 05時37分