神経質礼賛 2249.救急法講座
昨日の院内講習会は人形とAED(自動体外式除細動器)を使った救急法講座だった。中学校や高校、あるいは町内会の防災訓練の際に行われる救急蘇生訓練の様子がTVのニュースで放送されることがあるが、まさにそんな感じで、地域医療に関わるNPO法人の人たちが来て指導していた。私は最近、院内で心臓マッサージをすることは少なくなった。高齢者の場合、骨粗鬆などにより骨が脆くなっていて、本気で心臓マッサージをすると肋骨を折ってしまうことがある。入院時にそうした説明をした上で本人・御家族に心肺停止時にどうするか意向を伺うと、蘇生処置はしなくていいと言われて文書同意を得るのがほとんどである。病院にはAEDが備えられているから心停止時にそれを実際に使用することは時々ある。ただ、プライベートで街を歩いている時などに倒れている人に遭遇した時にすぐに適切な動きができるだろうか。そういう意味では医療従事者でもこのような訓練は必要だと思う。倒れている人に遭遇した時にはまずは、意識状態と呼吸状態を確認。心臓マッサージをしながら近くの人に応援を求め、救急車を呼んでもらいAEDを持ってきてくれるように頼むところから始まる。私も一通りやらせてもらった。備えあれば憂いなしである。
急性心不全をきたしたような時には初動処置が生命予後を大きく左右する。そうした人に遭遇したら、対人恐怖の恥ずかしがりであっても、恥を忍んで大声で通りがかりの人たちに応援を求める。自分がパニック発作を起こしそうになってもパニックで死ぬことはないと腹を決めてドキドキのままでできることをやっていく。のんびり確認行為をしている暇はない。まさに一刻一秒を争うのである。そして、普段から神経質らしくAEDの設置場所をチェックしておくと良いだろう。また、AEDが設置されている施設の管理者は使用期限切れで電池の寿命がきていないかチェックしてほしい。
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