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2024年10月10日 (木)

神経質礼賛 2274.秋バテ

 急に朝晩涼しくなり、エアコンの冷房なしで眠れるようになってきた。慌てて掛け布団を引っ張り出す。汗もかかなくなって楽になってきたと思いきや、心身の不調を訴える人が多くなっている。外来患者さんたちからも「何だか体がだるい」「胃腸の調子がよくない」「ふらふらする」「朝がスッキリしない」などという話をよく聞く。夏バテならぬ秋バテ、はて、そんな言葉があるのだろうかと思ったら、巷ではすでに使われているようである。

 元々精神科では春先・秋口に調子を崩す人が多い。特にうつ病などの気分障害の人ではその傾向が強い。それに加えて、年々長く厳しくなった猛暑の影響は大きいだろう。もはや1年の半分近くは夏という状況になっている。やっと涼しくなってこれまで暑さのために休んでいた散歩やジョギング、庭の手入れ、部屋の片づけなどを再開しようとしても体力が落ちていて急には思ったように動けない。そろそろ体を冷やす食品から、タンパク質を十分に含んだ食品に切り替えていく必要がある。冷たい飲み物も店じまいにしよう。夏場はシャワーで済ませていた入浴もぬるめの湯加減でゆったり湯舟に浸かって体を少し温めた方がよいだろう。心身が秋の気候に順応するのにはやはり時間がかかる。まずは栄養をつけることから始めて体力回復を図り、焦らないことである。しっかり眠らなければいけないと考えて、寝よう寝ようとすればますます眠れないことが不安になって眠れなくなる。夜は横になって体を休めればいいのだ、と考えておけば、いつしか眠りに落ちている。

 

2024年10月 6日 (日)

神経質礼賛 2273.金子みすゞの詩(うた)

 藤枝市郷土博物館・文芸館で「100年の時を超えて 金子みすゞの詩」と題する特別展が開催されているのを知り、見に行ってきた。金子みすゞ(1903-1930)は西條八十に激賞された幻の童謡詩人とされる。みすゞの夫は女癖が悪く、淋病にかかり、それがみすゞに伝染してみすゞを苦しめることになる。夫は嫉妬心からかみすゞが作品を書いたり文学関係者と手紙のやり取りをしたりすることも禁止した。ついに離婚することになったが、夫が一人娘の親権を主張し、絶望したみすゞは娘が寝静まった後に服薬自殺を遂げてしまう。没後、忘れ去られていたが現在記念館の館長をしている童謡詩人の矢崎節夫さんが長い年月をかけてみすゞの足跡を辿り、みすゞの弟・上山雅輔さんから多くの情報と遺稿を得て、金子みすゞ全集の出版に漕ぎつけた。代表作の「私と小鳥と鈴と」は現在では小学校の国語教科書にも採用されているそうだ。「みんなちがって、みんないい」と多様性を認める考え方は軍国日本に突き進んでいく当時は許されないものだったろう。

 会場に入ってすぐの所に、全集の基となった3冊の小さな手帳がガラスケースの中に展示されていた。会場には手帳から撮影した拡大写真パネルで直筆の詩が展示され、さらにその詩に絵本作家が描いた絵、人形、ジオラマ、小物などが一緒に展示されていた。東日本大震災の時、CM自粛によりACジャパンの公共広告が繰り返し放送された中にみすゞ作品「こだまでしょうか」があったのを思い出す。子供だけでなく大人にも味わってほしい詩である。この心があれば、つまらない争いはなくなり仲直りできる。やはり代表作「大漁」では海岸でお祭り騒ぎの人々と対照的に海の中では何万ものイワシたちの弔いが行われると書き、弱い立場に向けた優しい眼差しが感じられる。自分ばかりに目を向けやすい神経質にとってハッとさせられる詩である。どの詩も曲を付けて歌われることを意識して作られたわけではないと思うが、概ね七五調になっていて曲を付けやすい。今後も新たな曲が作られる可能性を秘めている。

2024年10月 3日 (木)

神経質礼賛 2272.10月になって

 10月になってさすがに朝は涼しくなってきた。それでも日中は30℃超えが続いていて、とても秋とは思えない。今月から郵便料金が値上げ、当地のバス運賃も値上げ、数々の食品の値上げが発表され、値上げの秋だけは着実に来ているようだ。

 身近なところで今月から変わったものとして、勤務先病院の給食業者がある。これまで担当していた地場の業者が撤退して、全国規模の業者になった。病院側との値上げ交渉が決裂したというような話も耳にする。先月末には旧業者から引継ぎをしていた。今までならば私が病院に着く朝7時頃には配膳車が病棟に入っていったのが、まだ慣れないためか15分~20分位遅くなっている。朝食時は病棟スタッフが大忙しになるので、スタッフは病棟入口でドアを開けてまだかまだかと待ちわびているし、入院患者さんたちも食事が「お預け」になってしまっている。昨日の職員食は「ちゃんぽんめん」だった。うどんやラーメンの時は、1食分ずつ袋に入ったゆで麺を取り出し湯通しして自分で丼に入れるようになっているが、麺がカチコチに固まった冷凍のままで供されていて唖然とした。それも5人分ずつまとめてビニール袋に入ったままである。取り出して電子レンジにかけても解凍に2~3分はかかるだろうし、湯通しした程度では解凍できない。限られた時間で食べなければならない職員たちにとっては困ったことである。新しい業者のメンバーたちも慣れてくればミスも減りスムーズに動けるようになるのだろうが、給食は病院では患者さんと関係が最も深い部分だ。四方八方に気を配りながら短時間できびきびと作業しておいしい食事を出して欲しいものである。

 

2024年10月 1日 (火)

神経質礼賛 2271.ガンツ・クライネ・ナハトムジーク ハ長調 K.648

 つい10日ほど前、モーツァルトの新しい楽譜がライプツィヒ市立図書館で発見されたというニュースがあった。その名もガンツ・クライネ・ナハトムジーク、非常に小さな夜の音楽ということである。一昨日のNHK―FMのクラシック番組でもその話題が出て、リスナーからリクエストがあったけれども、まだ放送できる音源がないので、ネット動画を見て下さい、とのことだった。もう動画が出ているのかと驚いた。この曲はヴァイオリン2・チェロ1の三重奏で短い6楽章から成る。
1. 行進曲
2. アレグロ
3. メヌエット~トリオ
4. ポロネーズ
5. アダージョ
6. メヌエット~トリオ
という構成である。K.648 という作品番号も付けられている。

 2種類の動画を見ることができた。一つは野外音楽堂のような所での演奏。もう一つはホールでの演奏でフォルテピアノを加えていた。どちらも演奏者たちは楽しそうに伸び伸びと弾いていた。モーツァルトの魔法にかかったようだ。夜に恋人の家の前で弾いて窓を開けてもらおうという曲にふさわしい。第5楽章のアダージョではヴァイオリンはミュート(弱音器)を付けての演奏で、モーツァルトの曲では珍しい。楽譜の発売が待ち遠しい。ヴァイオリン・ピアノ版の編曲もできそうであり、楽しみだ。

 

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