神経質礼賛 2295.6年ぶりの京都(3)
烏丸で阪急電車に乗ったのはちょうど午後2時。当初の計画ピッタリである。桂で嵐山行に乗り換えて一駅。上桂で下車。目指すは竹の寺の別名がある地蔵院という寺である。徒歩12分。上り坂なので少し疲れが出る。ここは一休さんが生れてから6歳頃まで母親と住んでいた所だ。一休宗純は後小松天皇の皇子だったが、母親が南朝の関係者(一説には楠木氏とも)だったため、讒言にあって御所を出て、この地で育てられた。竹の寺の名の通り、よく手入れされた高い竹の林に西日が当たって逆光で見ると美しい。楓の紅葉や庭の苔も美しい。墓地の入口にわりと新しい一休さんの母子像があった。ここは室町幕府の管領だった細川頼之が建立した寺なので、その子孫である細川元総理の揮毫した書もある。茶室の猪目窓はハート形で人気があるらしい。現在の住職の奥さんは音楽をやっている方で、寺ピアノがあって、予約すれば自分で演奏して曲を奉納することもできるとのことだ。観光客が大勢来る所ではないので落ち着いていて良かった。また同じ道を歩いて戻り、阪急電車で烏丸に戻る。
烏丸駅から少し北に歩き、六角通を右に入るとすぐに六角堂がある。さらに進み、堺町通りを北に入るとイノダコーヒ本店がある。ここで一休み、一休み。旧館に入るとレトロな雰囲気に溢れている。きびきび動いているボーイさんも昔風に「お給仕さん」と呼びたくなる。私が注文したのはラムロックというケーキ。ナッツ入りのカッチリした生地にラム酒を浸み込ませ周りをチョコレートでコーティングしたものだ。セットのコーヒーは砂糖とミルクを頼んだら、最初から入れて供された。これは初めての経験である。コーヒーはとても濃厚な味である。私は今年インフルエンザにかかって以来嗅覚が麻痺してしまっているので、残念なことに香りを楽しむことができなかった。今度は四条駅で地下鉄に乗る。中学生位の女の子が妻に席を譲ってくれた。後で「そんなにおばあさんに見えるのかなあ」とショックを受けたようだった。京都駅で降りて伊勢丹の地下で夕食とお土産を買いこみ、帰りの「ひかり」に乗車。歩数は2万3千歩。とても充実した一日を過ごせた。神経質らしく事前にいろいろ調べて計画を立てた効果があった。
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