神経質礼賛 2303.神経質川柳
生活の発見誌の毎年1月号には発見会川柳が掲載されていて、森田療法ネタばかりでなく時事ネタや加齢ネタも盛り込まれていつも楽しく拝見している。
私も森田先生の生没年(1874-1938)の語呂合わせから下手な川柳を一句。
あるがまま 嫌な世行く身は 仕方なし
神経質は嫌なものを嫌でないようにしようとすれば強迫観念に陥りやすい。また、教条的に嫌だと思わないようにすべきだ、とすれば葛藤に悩むことになる。嫌なものは嫌なままでよいと森田先生は教えておられる。
世の中の現実で、誰もが人並みにそうやっているところの「苦しいままに働く」、それが小学程度、次に「苦しい事はいやである」そのままの事実を認識するのが中学程度、さらに「いやとか好きとかの名目を超越した」のが大学程度である。
なおついでに、も少し説明を加えておく。
「苦しい事はいや」「手軽にできぬ事は面倒」という事実を、動かすべからざる事とすれば、ありふれの教育家や道徳家のいうように、「いやとか・面倒とか思ってはならぬ」「忍耐力を養わねばならぬ」とかいうような、余計な精神葛藤のむだ骨折りをしなくなり、いやな事は好きなように改良し、面倒な事は、早く仕上げるような工夫をするから、心は絶えず進歩と創造とで引きたつようになるのである。(白揚社:森田正馬全集 第5巻p.653)
自分自身を顧みると、小学程度から中学程度を行ったり戻ったりしていて、時々幼稚園レベルに落ちてしまうこともあって、なかなか大学程度までには行きつかない。一生「森田小僧」のままで終わりそうである。
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