神経質礼賛 2305.電子カルテのシズテム障害
あらゆる分野でデジタル化が進んでいるが、時折システム障害(627話)が起きている。銀行のオンラインシステムの障害のために自動支払機でお金が出せなくなったり、キャッシュレス決済システムの障害のために買い物ができなくなったり、飛行機の予約システムの障害のために、運行がストップして多くの人々が足止めされてしまったりする。一旦トラブルが起きると影響が広範囲に及ぶことになる。原因はシステムがハッカーの攻撃を受けてダウンすることもあるが、よくあるのが連休などの際にシステムの更新を行った際にプログラムの不具合が出てくるというものだ。
医療界でもカルテの電子化が進んでいて、システム障害が起きると診療に大きな影響を受けることになる。一昨日、外来診察を始めて1時間もたたないうちに電子カルテが動かなくなった。担当者が電子カルテのメーカーに問い合わせたり、原因を調べたりしたが、なかなか原因がわからない。待合室には外来患者さんがあふれてしまい、待ちきれずに帰ってしまう人も出始めた。電子カルテなしで診察し、文章を記録して後で入力することになった。事務員さん総動員で前回の処方内容を一人ずつ印刷して、その日の処方に変更がなければそのまま、変更した場合はそれを書き込んで仮の処方箋とし、これまた後で入力することになった。ただでさえ、休み明けで外来患者さんの人数が多い日だ。時間ばかりかかってなかなか進まず、焦りを感じる。障害発生後、2時間ほどしてから原因がわかって復旧してホッとする。「大変お待たせして申し訳ありません」と患者さんにお詫びを述べると「いいですよー。先生こそ大変ですね」と温かい言葉を頂いた。今回の障害の原因はLANのハブの不具合だったとのこと。実は前の勤務先でも同じ原因で電子カルテのシステム障害が起きていたことを思い出す。システムは年中作動しているから、周辺機器の信頼度が問題になってくる。障害発生時の対応をあらかじめ考えておく必要がある。デジタル化がいいばかりではない。
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