神経質礼賛 2326.申し送り
いよいよ現在の病院の勤務も残すところあと半月になった。私の後任の医師は今の所おらず、今いる先生方に患者さんたちの診察をお願いすることになる。病棟の看護師さんたちは普段から日勤から夜勤、夜勤から日勤に引き継ぐときに「申し送り」と言って患者さんの情報を伝達しているし、病棟を移る時にも、前の病棟の看護師さんから新しい病棟の看護師さんに伝達が行われる。その点、医師が交代する時の申し送りはないことが多く、あってもカルテに2,3行まとめが入っていればいい方である。私も前主治医から引き継いだ時に情報をもらえた患者さんはほとんどなく、ぶっつけ本番で、正直よくわからないまま、時々カルテの情報をパラパラ見ながら引き継いだケースが多い。それはやはり患者さんにとって不利益となる可能性があるから、なるべくカルテ上に申し送り情報を書き込んでいる。安定していて2,3か月に一度しか受診しない方も入れると患者数は200人を超えている。時間はかかるけれども、何とか全員の申し送りを書き残しておこうと思っている。
外来で、次回から担当医が代わることを告げると、「あ、そうですか」という人もいるし、長く通院している人だと勝手を知っているから「〇〇先生がいいなあ、△△先生はやめて下さい」と注文してきたりする。たまに悲しんで涙を流す人もいて、こちらも別れが辛くなってしまう。
昨日は、3年以上入院していた人が退院していった。うつ病で当初は3か月位で退院の予定が、御主人が白血病の治療のため浜松の大きな病院に入退院を繰り返されたため、退院が延び延びになってしまっていた。自宅近くの施設に入所することが決まり、御主人が再入院したとしても心配ない状況となって退院していかれた。やはり、お元気で退院して行かれるのを見るのはうれしい。この病院に勤めてからというもの80代・90代の認知症の方の入院受けが多くて、やがて食事摂取ができなくなって衰弱されて肺炎などでお亡くなりになり、霊柩車をお見送りすることが多かった。来月からは死亡診断書を書かなくて済む。
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