神経質礼賛 2324.主観の暴走
先週の日曜日の毎日新聞でいつものように将棋の次の一手の問題を見ようと思ったら、同じページに人生相談プラスということでコラムニストのジェーン・スーさんの「新しい環境に適応するには」という記事に目が行った。「主観の暴走」に御用心、という大きなタイトルが目を引く。4月には新しい職場や学校が待っている。期待と不安の入り混じった状態で新たな環境に飛び込んでいくことになる。そうした中で、周囲の人になれなれしくしたり、逆になめられないように居丈高に振舞ったりして失敗することがある。そして自分だけが取り残されているような気分に陥る。スーさんは、そういう時には一旦、蚊帳の外に出て周囲をくまなく観察することを勧めておられる。自分だけがうまくいってない、と考えるのは主観の暴走だと言う。視野狭窄の状態では、「レッテル貼り」「全か無か思考」「心のフィルター」「感情的決めつけ」などの認知の歪みが生じやすい。一歩離れて冷静に観察するというのは有効な解決法だと思う。
神経質人間、特に対人恐怖の人は、新しい環境に馴染むのに時間がかかる。私もその一人である。あれこれ取越苦労して不安に襲われるが、何のことはない「一人相撲」なのである。自分ばかりがオドオドしいていて情けない、と思い込みがちだが、実は誰だって新しい環境は不安なのである。期待したほど楽しいことはなくても心配するほど悪いことばかりでもない。緊張しながら周囲に気を配って行動していけば、何となく流れに乗れていくものだ。
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