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2025年5月15日 (木)

神経質礼賛 2345.神経症マーチ

 アレルギーマーチという言葉を聞かれたことがあるだろうか。マーチと言っても音楽の行進曲ではない。小児科・皮膚科・耳鼻科・呼吸器内科で言われる言葉で、乳児湿疹→食物アレルギー・アトピー性皮膚炎→小児喘息→アレルギー性鼻炎→成人喘息というようにアレルギー疾患が年齢とともに形を変えて次々と現れることを言う。

 考えてみれば、神経症も年代とともに形を変えて現れやすいものがある。時には複数の神経症が重複することもある。対人恐怖は小児期・思春期あたりに発症しやすい。学校などの集団生活の中で失敗して笑われたりしたことをきっかけになりやすい。私自身もそうだった。それでも、学生生活や社会人生活をしているうちに医療機関を受診せずに何とかなっていく人も少なくない。強迫症状も比較的若い時分から出やすい。失敗を恐れて確認を繰り返したり、一時的な安心を求めて強迫行為を繰り返したりしているうちに深みにハマり込んでしまうのだ。パニック症(不安神経症)は社会人として活動する20代~40代位の発症が多いように思う。内向的・消極的な神経質者ばかりでなく、むしろ一見、外向的・社交的な人にも現れてくる。たまたま満員の通勤電車で気分が悪くなったことなどをきっかけに注意が自分の身体に向き、動悸や呼吸困難感が出現し、またなったらどうしようと予期不安するうちに症状が固着する。そして老年期になると身体症状を過度に気にする心気症的な疾病恐怖症状が出やすくなってくるように思われる。形は変わっても、根は同じである。不安・死の恐怖がベースにある。薬で症状を抑えようとしがちだが、それではモグラ叩きに過ぎない。高齢者では薬の代謝が遅く、副作用が出やすい。そして身体的な疾患のために普段から多くの薬を服用していることも少なくない。だから特に高齢者の神経症では精神科薬を投与するのはできるだけ避けたい。身体の病気ではなく、そのために直接に命を落とす心配はないのだから「症状」は相手にせずにそのまま生活していく森田療法的アプローチが優れているように思う。

 

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