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2025年5月25日 (日)

神経質礼賛 2348.一休寺

 昨日は京都日帰り旅行。ずっと前から行ってみたいと思っていて行けなかった酬恩庵一休寺が最初の目的地だ。京田辺市にあり、京都駅で近鉄に乗り換え新田辺下車。駅前には「たなべいっきゅう」「とんちはし」と刻まれた石の円柱の間に茶色の太鼓橋を模したようなモニュメントがあり、そのてっぺんには一休少年が立って見下ろしている。「このはし渡るべからず」の橋を端ではなく真ん中を歩いて通ったという一休頓智話にちなんだものだ。その少し横には箒を手にした一休像がある。寺の開門は9時でまだ時間があるので歩いて行く。寺に向かう「一休とんちロード」の電柱には一休の故事にちなんだ「一休かるた」が取付けられている。

 境内に入ると青もみじが美しい。そして、ピンク色の楓花もいたるところに見られる。宗純王廟(一休の墓)は宮内庁の管理下にあり、閉ざされた門の菊の御紋の透かし彫り越しに拝む。拝観一番乗りで方丈の庭園を見る。穏やかな波を表す広い白砂の向こうには山々を模したようなサツキの刈込が並ぶ。石川丈山、松花堂昭乗らの作庭だという。詩仙堂の庭を思い出した。自分の髪と髭を移植させたと伝わる晩年の座像は近くで見ることができず、ちょっと残念だった。

 新田辺から京都行きに乗り、竹田で地下鉄に乗り換え。同じホームで乗換できるのはありがたい。混雑していた地下鉄は烏丸御池を過ぎたあたりから急に空いてくる。北大路で降り、少し早めに昼食を予約した大徳寺大慈院の泉仙を目指す。前回寄ったのは8年半前だった。大徳寺聚光院の特別拝観(1336話)を見た際に寄って以来である。精進料理が鉄鉢料理の名の通り托鉢僧の鉢を模した朱塗りの器で供され、食べ終わると7個ほどの器は入れ子状に重ねられる趣向になっている。箸の包み紙には「生死事大 無常迅速 光陰可惜 慎勿放逸」と書かれた木版(もっぱん)が描かれ、右側に「有漏路より無漏路にいたる一休 雨降らは降れ風ふかはふけ」と書かれている(1338話)。自分の写真を見比べると、あっという間に歳を取ってしまったなあと思う。まさに無常迅速である。前回は食事の後、歩いて北山の源光庵まで行き、さらに京都国立博物館で伊藤若冲の展示を見て豊国神社の宝物館を見てから帰っていた。今ではとてもそんなパワーはない。光陰惜しむべし。動けるうちにできることをなるべくやっておこう、と反省する。

 

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