神経質礼賛 2353.ペンライト
医療従事者はポケットにペンライトを入れていることが多い。クリニックの外来で必要になることはまずないが、病院の病棟では急変時に意識をチェックするのに瞳孔を見るのに必要だからだ。それ以外に、皮膚の病変を確認する際によく使う。さらに当直中の夜間に普通の懐中電灯としても重宝する。最近のペンライトは従来の電球から白色LEDを使用したものになってきている。電球が切れる心配がないし、消費電力が少ないから電池も長持ちする。以前書いたように(1839話)白色LEDを駆動するのには3.6V程度の電圧が必要で電池が3本必要になるが、昇圧回路を内蔵して電池1本で済むものも増えている。問題は、白色の程度である。白色LEDの本質は青色LEDなので、少し青み掛かった色になってしまうものがある。逆に、黄色がかった光を発するペンライトもある。そうなると、色が違って見えてしまい皮膚病変を確認するのには不都合である。実際に白色が出るものを選んで使いたい。
ペンライトが点灯しなくなるのは電池ボックスのマイナス極に接するバネの錆びが原因であることが多いような気がする。電池が長持ちするということで交換せずにいると、アルカリ電池の漏液でベトベトになっていた、などということもある。長く使用しない時には電池を抜いておくといいが、なかなかそこまでする人はいないだろう。私が長く愛用していた単4電池1本で駆動できるペンライトもついにダメになってしまった。そこで新しいものを買った。C国製ではあるが、光はきれいな白色である。ただし、光束120ルーメンでは明る過ぎて瞳孔を見るには不適だ。患者さんの眼を痛めてしまう恐れがある。仕事用には別のペンライトを探すとして、これは単なる懐中電灯用になりそうだ。
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