神経質礼賛 2370.50年後輩たちにエール
夏の高校野球は各都道府県の代表校が決まり、これから甲子園球場で熱戦が繰り広げられる。私の出身校は地区大会決勝まで残っていたが、決勝戦で敗れてしばらくぶりの甲子園出場はならなかった。
決勝戦の日、私は産婦人科クリニックで午前の外来を終えてスマホを見て試合結果を知った。県内でも最近は私立の高校が強く、公立の伝統校は旗色が悪い。私立だとスポーツの結果が大きな宣伝となって生徒集め・ひいては偏差値向上にも役立つため、施設にお金をかけ、大阪など遠方の都道府県から有力選手をかき集める。その点、公立だと設備費や運営費が十分ではなく、卒業生たちの寄付で何とかやりくりしているのが実情だ。野球部だから野球だけやっていればいいわけではなく、成績が悪ければ追試が待っているし下手をすれば落第である。少ない練習時間に集中して練習し、学業にも励む。
帰りの電車に乗っていると、決勝戦が行われた草薙球場近くの運動場前駅で大勢の高校生たちが乗り込んだ。2両編成のガラ空き電車はたちまち満員になり、車内の気温が一気に上昇する。乗り切れない子たちは次の電車を待つ。すでに何本かの電車を見送りやっと乗れたのだろう。大勢乗り込んだのに静かで整然としている。私立高校ならば貸切バスを仕立てて教員が引率して出席扱いの応援になるが、強制ではなく各自の判断での応援参加、誰かが指導していなくてもきちんと行動できている。私は心の中で「フレー!フレー!〇高!」と50年後輩たちにエールを送る。野球の試合は負けてしまったけれども、これからは君たちの番だ。それぞれの部活や勉強で頑張ってくれればそれでいい。


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