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2025年7月17日 (木)

神経質礼賛 2366.金髪のジェニー

 今年の「アマチュア・アンサンブルの日」で演奏予定の最後の曲はフォスター作曲・ハイフェッツ編曲の「金髪のジェニー」だ。重音奏法が美しい編曲なのでいつかホールで弾いてみたいと思っていた。ただし、難点があって、曲の最初の音はG線(一番低い音の弦)で弾くように指定されている。この音はG線の開放弦より10度上の音で、あのG線だけで演奏する「G線上のアリア」の最高音よりも高い音である。さらに3度高い音までやはりG線のハイポジションで取らなければならない。今まで使っていた楽器ではこれがとても鳴りにくかった。幸い、最近入手した楽器はG線のハイポジションがきれいに鳴ってくれるのでクリアできそうだ。

 別れた恋人への郷愁を歌ったこの曲の原題はJeanie with the Light brown Hair(薄茶色の髪のジェニー)であり、フォスターの妻ジェーン・デニー・マクダウエルのことだと言われている。スティーブン・フォスター(1826-1864)はジェーンと結婚して娘をもうけ、「ケンタッキーの我が家」「主人は冷たい土の中に」「故郷の人々(スワニー河)」などの名作を次々と発表するが、経済的には恵まれず、生活は困窮を極め、ジェーンとも別居生活となる。下町の安宿で急死した時に所持していたのはわずかな小銭のみ。対面したジェーンはその場に泣き崩れたと伝わる。死の数日前に書き上げたとされる「夢見る人(夢路より)」は2か月後に発表された。

 まだ作曲家が生計を立てるに十分な報酬が得られなかった時代のことで、のちに「アメリカ音楽の父」とまで言われるようになったフォスターには気の毒過ぎる最期である。それでも、自分が作った歌がいつまでも世界中で愛され歌い継がれ、クラシックの作曲家からも高く評価されているのは救われる。短いけれども精一杯生き尽くした人生だったと言えるだろう。

 

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